うさぎ、うさぎ、と両手を頭上にやって、うさぎの耳を表現するかのように手をぴこぴこを揺らし。
人参に続いて、これであっているのかと一応は仕草で確認をとろうと。

人参がある。
料理の話をしている。
その状況を踏まえて、相手は微笑みながら何かを話しかけてくれてはいるものの。
やはり何を言っているのかはわからず、…わからないから、…勝手に料理をはじめることにする。
違うとしたならば。この子ならば、怒らずに止めてくれるだろうし。

通じないとはわかっていても話しかけてしまう。
どちらにしても、何か作るなら、と包丁を2本取り出し。刃の方を指でつまめば、柄を相手に向けて差し出した。

フライバイの話になると、グリゴリは不機嫌そうな顔をした。

『蟷螂だって食べるに違いない』と嘆息するリセナに難しい表情で頷く。

　　　　　　何か違う。

準備の手伝いに快諾するリセナに笑みを見せ、大体の時間を伝える。
それなりに時間がかかるらしいので、後は適当な時間に厨房に行けばいいだろう。

そして、ジュリについての話に成る程。と笑う。

「そうだ、今度それで彼女をお茶に誘いましょう。きっと名案です。」

そういって笑う彼女は実に無邪気そうだ。

自分の頭を親指で差しながら
少し声が上擦っている。

（仕事しなさいとの突っ込みに冷や汗たらり）

（とても作製士とは思えない事を口走りつつ）

ありうる話しなのが尚嫌だねェと、ぼやくように
そう言って、顔を上に向けて煙を吐き出す。

問いに、一拍挟んでから視線を横に流す。

いくらか話を逸らすようにそう言って、
目元へと白目の多い視線が流される。

怒られると、うるさそうに音を片手で払いのける。
前よりは赤くない目を胡乱気にみやり

思いついたままに繋げた思考を思いついたままに提示して、
煙に巻かれる男は、小さな背丈を見下ろした。

残念そうな響きはない。
けれど尻尾は引っ込めて、それから身体をのったりと横たえた。

恐らく言葉の意味は一抹もわかっていないんだろうな。
そんなことを思わせるような軽い調子だった。

不思議そうな顔で一度、リセナの表情に首を傾げて、
それから改めて自分の尻尾に目を遣って、さらにもう一度首を傾げた。

クリストファーの背後、赤い果実を抱えるようにした40センチ程の人形の姿がチラリと見え。