ENo.3411 葛葉　子夜

？？？「子夜。」

子夜「はい、師。」

？？？「今宵は月齢が良くない。俺は休ませてもらう。」

子夜「はい、師。」

？？？「然し、集会には誰か居なくてはならぬ。だからお前がこの集会に出席しておけ。」

子夜「はい、師。仰せのままに。」

子夜「……。」

　？「お、お、おかーさんそれしたらオイラ死んじゃうっぴー！　だからここでおしおきしないでほしいっぴー！！」

子夜（……五月蝿いな。）

？「ぴ、ぴいい！　そ、そこの狐のおにーさん助けてほしいっぴ！！」

子夜「……読書中だから、静かに――」

？「？「お、お、お、おかーさんがこっちに来たっぴー！！　一緒に逃げるっぴー！！」」

子夜「え、え……？」

？「はぁ、はぁ……お、オイラたすかったっぴー！！」

子夜「……な、何で僕が、こんな目に…………」

？「き、きつねのおにーさん！　オイラを見捨てないでほしいっぴ！！」

子夜「……面倒だから、勝手に泣いていればいい。」

？「そんなー！　オイラまたさじたりうすあろーで殺されちゃうっぴー！！」

子夜「知らない。早くあの場所に……」

　　　　ガチャッ

子夜「……？」

？「お、おにーさん！　今ドアを開けたらオイラがみつかっちゃ――」

子夜「……開かない。」

？「ぴいいいいいいいいい！！　オイラもうだめだっぴ！　ここでうえじぬっぴ！　もうみんなしんじゃうっぴー！！」

子夜「……五月蝿いな。」

？「ぴいいいいいいいいいいいい！！」

？「おにーさん、さっきから怖いっぴ！　オイラなにもしてないっぴ！」

子夜「……五月蝿いだけで万死に値する。」

？「ぴ、ぴいいいいいいいいいいいいいいい！？　静かにするっぴ、だからおこらないでほしーっぴ！！」

子夜「……。」

？「お、オイラ、いいこにしてるからおこらないでほしーっぴ……！」

子夜（……子供に、静かにしろと言うのも酷なのかな……）

？「……だから、オイラ言ってやったっぴ！　オイラ、ものすごーく強くなって見返してやるっぴ！」

子夜「……。」

？「おにーさんもっとちゃんと聞いてほしーっぴー！！」

子夜（…さっきから愚痴ばかり…………）

？「だからオイラ、もっとちゃんと強くなって、おとーさんやおかーさんに見返してやりたいっぴ！　だからおにーさんも手伝ってほしーっぴ！！」

子夜「…何で僕が……」

　　　　がちゃっ

？「あっ、ドアが開いたっぴー！」

子夜「……。」

？「っておかーさんが居るっぴいいいいいいいいい！！　いやああああああ逃げたの謝るっぴごめんなさいっぴその弓矢でおしおきしないでほしっぴいいいいいいいいいいいいいいいいいいい！！」

子夜「……。」

？？？「……子夜、何処に行っていたのだ。」

子夜「すみません、師……少々、面倒事に巻き込まれておりましたっぴ。」

？？？「……は？」

子夜「……どうか、しましたっぴ？」

？？？「あ……いや、その……何だ、その語尾。」

子夜「え……」

？？？「ぷっ、いや、いいなそれは！　よし、俺の権限でお前に命令だ。その語尾、これからも続けろ。」

子夜「え…………？」

？？？「まあ、最近退屈だったしな。よし、そろそろ行くか。儀の準備を済ませねばならぬ。」

子夜「え、え……僕が、何を喋ったっぴ……？」

子夜「…………『ぴ』？」

子夜（あんな事があったから……）

滝「し、子夜さまー！　なんでまた怒ってるっぴー！！」

子夜（今ではこの語尾が口癖になって…………！）

滝「し、子夜さま！！　痛い、ものすごく痛いっぴー！！」

子夜（威厳とか……そういうものが……今では……何も！！）

滝「だっ、誰か助けてほしいっぴいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい！！」