転送門で移送された先……そこに広がる光景は、まあ何とも目を覆いたくなる様な、混沌とした様相でした。
　そもそも、どうしてこんな所に転送されてしまったのでしょう？
その仕様上、転送門のある場所にしか、移送は出来ない筈なのですけれど……故障、にしても妙ですわ。

　眼前に広がる荒廃しきった町並みを見て、思わず溜息をついてしまいました。
　教義院や教会本部への無線も繋がりませんし、そもそもこんな場所があるなんて、聞いた事も有りませんし。
　見た所教会の手が及んでいない様子。手の及ばない土地なんて、有る筈もないのですけれど……こんな場所、放置しておく事は絶対にありませんわ。
　どこか別の世界に転送されてしまったのでは？　と考えましたけれど、それを証拠付けるものも、今のところは見えませんわね。

　……それにしても、何と禍々しい所なのでしょう。吐き気がしますわ。目つきの悪い、畜生みたいな連中も、そこかしこに散見されます。
　

　ひとまず、元の場所に帰る手段を探さねばなりませんわ。任務を放棄している形になってしまってますし。
　まずは情報でも集めましょうか、と思って軽〜く探索なんてしてみたのですけれど、その際見つけたボロボロの座礁船で、色々とお話をお伺いする事が出来ましたの。

　やっぱりここは、私が元居た世界とは違う場所……アンジニティという場所だそうです。聞けば、何でも無法者が集まるゴミ溜めみたいな場所ですとか。納得せざるを得ませんわ。
　その他にも、環境劣悪だとか、安息の地も無いだとか、脱出する方法が無いだとか、と見せかけて脱出する方法が有るかもしれないだとか。
　世界の隔壁の一部が破壊されて、そこから脱出出来るという『噂』――信憑性は薄いものですけれど、このまま帰れない、というのもとっても困ってしまいますし、それに賭けてみるしかないご様子。
　たとえ帰れたとしても、あんまり遅くなってしまっては教会からお叱りを受けちゃいますし、出来るだけパパッと帰りたいものですけれど。


　とりあえず、ちょっとだけ周囲の探索をしてみるとしましょうか。何だか体も重く感じることですし、あんまり慣れたくはないですけれど、アンジニティの環境にも慣れなきゃいけませんわね。

あるるん(1058)の声が届いた：
あるるん「付加っていうの、出来るのよ！　木漏れ日か伝言で宜しくね！」

パティロット(1181)の声が届いた：
パティロット「早く姉さんを探さないと…。」

罅騎(1367)の声が届いた：
罅騎「ぅううぅううぅああああぁぁぁぁあああぁぁああああッッッッ！！！」

モチ(2554)の声が届いた：
モチ「木漏れ日で武器とか合成とか出しています、ご利用くださいー」

ファルカ(3520)の声が届いた：
ファルカ
　「装飾とか誰か作らせてくれたら嬉しいなー、とか。」