（シンプルなノートに、シンプルな字で綴ってある） ===================================================================================================== ミオアラはボトルに入った手紙を拾ったらしく、 自分もそれを送りたいと言い出した。 （ここにはそういった文化があるらしい。 　中身は宣伝であったり、詩であったりする。 　強い目的のあるものではなく、遊び心で行われているようだ。 　自分も後ほど試してみることにする。） 彼女は字が書けないので、それは後々教えていくとして、 他者の遊びの真似をするというのは大きな成長の種になるだろう。 そこで少し問題になるが、普段行動を共にしているのは自分とナキであり、 二人とも成人男性であってあまり遊び相手向きではないということだ。 兄弟であったり、同年代の子供とも触れ合いなくして健全な成長はないと言っても過言ではない。 また、他者へのいたわりの心を知るためには、自身より幼いものとの触れ合いも有効だ。 しかしここは海底探査協会に集まってきた、海底探索者たちの巣窟。 無邪気で幼い者にとっては些か危険であるから、 普通に考えれば、精神的にある一定以上の年齢に達しているものの割合が多いだろう。 うまく友達が出来ればいいのだが。 もしくは、ペットロボットでも作ってあげるのもいいかも知れない。 調達できる部品で自作できる範囲だと性能はかなり限られるが、 簡単に動いて決められたことを喋るぐらいのものであれば可能だろう。 遺跡探索の合間を縫って検討してみる価値はある。 =====================================================================================================

	穏やかな海《セルリアン》

穏やかな波、暖かい水温。太陽の光を透かし、キラキラと輝く水中に、
光とともに舞うように鮮やかな熱帯魚達が珊瑚礁に集まる海域。

この世界の窓口である探索者協会からも程近いこの場所は、
色々なところから集まってきたバカンス目的の観光客や、
これから冒険に挑もうとするものたちで賑わっている。

比較的凶暴な生物もいない、穏やかな、冬でも温暖の海である。

遺跡探索

ジェシーは、この世界の探索者としての一歩を踏み出した。
海底に沈む遺跡の探索——。

誰もがこの海の、この遺跡から冒険の一ページを刻み始める。
とはいえこの辺りはまだまだスタートライン。

もっとこの世界に眠る、謎や宝や未知の生物を目にしたいと願うなら、
このセルリアンの遺跡を抜け、さらなる海域を目指すといいだろう。

海はまだまだ遠く、広がっている。