《テリメイン》 　回廊がつなぐ世界の一つとして、その名は回廊探索者のデータベースに登録されていた。 　行くことは難しくはない。危険度もファーラッドなどのように魔物が跋扈する世界のくくりの中では上の下と言ったところだ。全力を出せるなら初葉にとってそう難しい場所ではない。……全力を出せるなら。 「ここ、エンブリオと相性が悪いようですね」 「エンブリオ……ああ、あのすごい力の出せるという精霊みたいなやつか。使えないのか？」 「かなり制限されると予想されます。最悪、全く使えない可能性も」 「それって、大丈夫なのか？　初葉の身がが危険なら止めておくが……」 「その点は問題ありません。ただ……その場合、すごい時間がかかるとは思います。エンブリオなしではその辺の魔術師と変わりないですから、わたしは」 「つまり、わたしと初めてあった頃みたいになるのか？　エンブリオを使ったのはかなり最後の方だったが」 「そうなりますね。あのときはエンブリオの相性ではなく別の問題でしたが……」 「ふむ」 　ハティはうなづき、手を軽く打ち鳴らした。 「ならば、何も問題はない。あの頃の初葉を知っているわたしが言うのだから間違いない」 　そして初葉の手を取り力強く握った。 「ぜひ、お願いする」 　ハティの言葉に、初葉はうなづき返した。 「わかりました。その依頼、お受けしましょう」

初葉はアイテムNo.8 ナマコ を使用した。

精神が3上がった！

	穏やかな海《セルリアン》

穏やかな波、暖かい水温。太陽の光を透かし、キラキラと輝く水中に、
光とともに舞うように鮮やかな熱帯魚達が珊瑚礁に集まる海域。

この世界の窓口である探索者協会からも程近いこの場所は、
色々なところから集まってきたバカンス目的の観光客や、
これから冒険に挑もうとするものたちで賑わっている。

比較的凶暴な生物もいない、穏やかな、冬でも温暖の海である。

遺跡探索

初葉は、この世界の探索者としての一歩を踏み出した。
海底に沈む遺跡の探索——。

誰もがこの海の、この遺跡から冒険の一ページを刻み始める。
とはいえこの辺りはまだまだスタートライン。

もっとこの世界に眠る、謎や宝や未知の生物を目にしたいと願うなら、
このセルリアンの遺跡を抜け、さらなる海域を目指すといいだろう。

海はまだまだ遠く、広がっている。

穏やかな潮の流れに、時に身を任せ、時に原生生物を相手にし、
確実にテリメインの探索へ進んでいた初葉は、
前方に大きな泡に包まれたドーム状の建物を発見した。
近くの岩に、建物の名前が彫られているのを確認できるかもしれない。

	テリメイン最先端探索拠点

……どうやらここが、海底探索協会の最先端拠点らしい。
これよりドームから先は、いよいよ未知なる海域が待っているのだろう。

誰も見たことのない財宝。
誰も発見したことのない未知なる生物、海底遺跡。
己の力をつけるため、願いを叶えるため……。

様々な目的を胸に秘め、各地から集まった探索者たちは旅立っていく。

テリメイン最先端探索拠点は、そんな夢を秘めた冒険者たちに、
最先端のスキルストーンやチューンジェムを揃えて販売している。

この拠点より先は、海底探索者協会の目が届かない海域だ。
【海賊】と呼ばれる者たちに襲われる危険性もあるかもしれない。

未知なる海域へ足を踏み入れる前に、ここで十分に準備をしてもいいだろう。