雑種の子どもに、一通の手紙が届いた。 上司からの手紙だ。 いつもより粗雑な紙、いつもより薄いインク。 しかしながら、すっかりいつもと同じ筆跡でもって書かれた、正真正銘あの上司サマからの手紙だ。

「やあっぱり、ポスト見るのさぼってるし、、。」

雑種の子どもが、長い溜息をつく。 どうやら文の中身のほうまでもが、手紙の送り主を確信させるような内容だったらしい。 手紙が届いてしまえば、先日の風邪の日の自分のあれそれはもはや黒歴史だ。 、、もう、上司に必要とされない事を怖れる自分を、完全に否定することは難しくなってしまったけれど。 でも、それにしたってあんなにグズグズと情けなさ100パーセントな自分は、さすがに黒歴史にしたい。 幸いにして、先日送った手紙では、そこまであの上司サマ相手に甘えるような事は書いていない。書いていないはずだ。 書いていないから、あの日の自分の恥ずかしい子どもっぽさは、上司サマには伝えずに済んだ。 ああ、でもできるならば、あの日の記憶を自分の脳内からも消してしまいたい！ かっこつけたいお年頃な雑種の子どもは、ひとり赤面した。

「あーーー、、」

またひとつ、今度は顔の熱を声に溶かして出してしまうための溜息をつき、ペンを待つ。 前の手紙で、'文通の楽しみがわかるようになった'とは書いたのだ。

。o(ああ書いたのは、べつに、黒歴史じゃなくていいし。)

そんな事を思いつつ、雑種の子どもはペンを走らせ始めた。 ＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊ 前略 お元気そうでなによりです。手紙の返信が届かないもので、ついに上司サマも体調を崩されたのかと心配しまいましたが、そんなのご無用だったようですね。なによりです。 それにしても、引っ越しですか。文面を見るに、もう新居に引っ越し済みのようですね。住み込みで働く部下の身分としましては、事前に一言いただければ良かったな、などと考えてしまう次第です。 新居に、僕の寝る場所はあるでしょうか。 上司サマが広い衣装部屋やらなにやらに気を取られて、休暇中とはいえ住み込みの部下の存在を忘れていたら、少し悲しいです。 ついそちらの新居の事ばかり書いてしまいましたが、こちらで起きた事についても、いくつか書き伝えたいことがあります。 最近で一番大きな出来事といえば、今現在、海底探索協会が運営する中では最先端の拠点に着いた事でしょうかね。 案外僕も、探索者としてやれてるんですよ？ 最先端拠点は海中にあって、大きな泡に包まれたドーム型の建物をしています。 そんな場所で、地上と同じように息ができるものですから、ついそこが海中だという事を忘れてしまう瞬間があります。 でもそういう時には、砂地の地面に魚群の影が落ちてきて、その場が海中だということ、足下の砂地が海底だということを思い出させてきます。 空気という見えないものでしか、重い色をした海と僕とを隔てるものがない。 その場所がそういう場所であると思い出せるのは、地上で生きるべきはずの生命体たる僕にとっては、なんともありがたい事のように思えます。 なんだか最近は、海の中で息をする事になれて、海中にいる事への恐怖心が薄れていってるような気がするものですから。 あ、でも最近、少しだけホームシックならぬランドシック気味です。ここから先、海中にいる時間が陸上にいる時間より増えていくと思うと、水を通さない太陽の光を浴びて、潮の香りの無い、草木の気を含んだ空気の中で深呼吸したいような気分になるんです。 そんな気分で過ごしてる時に、そんな気分だったからこそ特別に嬉しくなる事がありました。 その日は、2、3日ばかり最先端拠点の方で寝泊まりをして、ひさびさに陸上に戻った日でした。 久しぶりのまっすぐな太陽の光がやけに眩しく感じて、いよいよ僕も海中生物に片足突っ込んでしまったなあとか思ってました。 なんやかんやの理由で少しばかり心細くしていた時でしたから、このまま陸との縁も細くなってしまうのか、なんて妄想もするすると頭の中を動き回り、なんとも情けない考えばかりをしていました。 もしかしたら、頭の中だけでもなく、顔まで情けないことになっていたかもしれません。 冒険者らしい風貌のお兄さんが、声をかけてきてくれたのはそんな時でした。 お兄さんは何か緑色のものが詰まったボトルを持っていて、なんだなんだと思っていましたが、話を聞くうちに、緑色の正体がわかりました。 緑色は、四つ葉のクローバーでした。 四つ葉のクローバーが、瓶の中にいっっぱい！入っていたんです。すごくないですか？ 瓶いっぱいの幸運を、お兄さんは僕に分けっこしてくれました。 瓶の中に入って海を漂っていただろうに、分けっこしてもらったそれは、不思議と強く、それこそ周りの潮の匂いよりも強く、陸の草花の匂いがしました。 貰う直前まで陸との縁が細くなったーとか妄想を膨らませまくっていた僕に、何を言ってるのだか、と呆れてくれるような匂いでした。 お兄さんは僕がクローバーを受け取ったのを見ると、なんだか満足げにして離れて行きました。少し不思議な、でもすごく優しいお兄さんでした。 もらったクローバーは今、お守りにしています。四つ葉のクローバーが幸運幸福を呼ぶとか、別にそんなにすごく信じてるわけじゃないですけど、でも、このクローバーは、僕にとって、まあ、幸福そのものだったわけですし。 海中にあっても陸のものを持っているっていうのは、なんともまあ、安心させてくれるものなんですよ。 お兄さんがくれたクローバーは一本だけじゃなかったので、上司サマにもお福分けします。 海の世界から来る最初のお土産が、陸のものでびっくりしましたか？でもこのクローバーは、この海の世界から送るものとしては、たぶんものすごく素敵なものですから。 それでは、また。                       あなたの部下 ペジカ・オルレットより ＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊ ペンを置き、封筒に手紙を収める。もちろん、一緒に四つ葉のクローバーを入れるのを忘れずに。

。o(この匂いが、) 上司サマに届くまで、残っているといいな、なんて事を考えつつ、雑種の子どもは封蝋を押した。

ペジカはアイテムNo.6 シェルボックス（低） を使用した。

	穏やかな海《セルリアン》

穏やかな波、暖かい水温。太陽の光を透かし、キラキラと輝く水中に、
光とともに舞うように鮮やかな熱帯魚達が珊瑚礁に集まる海域。

この世界の窓口である探索者協会からも程近いこの場所は、
色々なところから集まってきたバカンス目的の観光客や、
これから冒険に挑もうとするものたちで賑わっている。

比較的凶暴な生物もいない、穏やかな、冬でも温暖の海である。

ここ、最先端探索拠点を越えてしまえば、そこはもう未開の海だ。
ペジカ達のような探索者たちがどんどん先へ進めば、
後々海底探索協会が、このような拠点を設けていくのだろう。

この先はどんな危険が待ち受けていても不思議ではない。
誰も踏み入れたことのない場所なのだ。
準備を怠らず、慎重に進むといい。

どのような生き物が居るのか、どのような未知が、はたまた宝が眠っているのか。
それはこの先へ自ら進んでいく者にしかわからないのだろう。

海は、まだまだ先へと広がっている。

——辺りは穏やかな潮の流れと、ちらほら入る光で暖かい。
まだまだ遺跡は先へ続いている……。

ペジカは周辺を探索…………。

塩水ココナッツを手に入れた！

ペジカは潜水病を購入した。

ペジカはSSシェルボックス(低)を購入した。

ペジカはTGシェルボックス(低)を購入した。

ペジカはTGシェルボックス(低)を購入した。

ペジカはアイテムNo.7 スラッシュ と、アイテムNo.12 ガードケア を合成！

ペジカは器用を訓練した。
ペジカは敏捷を訓練した。
ペジカは器用を訓練した。
ペジカは敏捷を訓練しようとしたが、EXPが足りなかった。
ペジカは器用を訓練した。

ゴーグル に 命中力強化 を実行！
ゴーグル の 物理命中、魔導命中 を 2回強化した。

汎用短剣 に 命中力強化 を実行！
汎用短剣 の 物理命中、魔導命中 を 2回強化した。

ペジカはアイテムNo.7 ウォークライを私有化！

ペジカはアイテムNo.12を私有化しようとしたがアイテムがない。

スキルNo.5 ボディブロー をアイテムNo.15 潜水病 で改造！
スキルNo.5 ボディブロー に 潜水病 を付加！

スキルNo.5 ボディブロー を改造しようとしたがアイテムNo.14 塩水ココナッツ はチューンジェムではなかった。

目的の決定