今のところ航海…じゃなくて潜航は順調。 でもちょっとだけ問題が。 やっぱり、拠点が必要ね。 考えてみたら当然よね。 旅は制約が多くつく。設備だって基本的にその身一つか、荷物運搬用に馬車の類があるくらい。 寝床をテントで分ける事はあっても、完全な個人用の空間や、娯楽用の設備なんてあるわけがない。 （尤も、海の中だからそのテントもないんだけど） いやでも、ねぇ。 流石に女の子三人（といっていい年齢でもないけどね、私は。あとおカルちゃんってその括りに入れていいのかわからないけど）、気の休まるプライベートな空間がないのはちょっと問題かも。 我慢すればいいといっても、そういった精神的要素は身体的にも大きく影響を及ぼすもの。それに我慢できるものであっても、我慢する必要がないなれば大きく変わる。 私としては、戦闘時に前線を任せる二人の為にも、不安要素は可能な限り取り除きたい。 それになんだかんだで、そういったものがあれば私としても便利だものね。 …

…しかたないわね。拠点（潜水艦）、作りましょうか。

あ、あとおカルちゃん。なまこは拾ってこなくていいからね？　うん、勿論ヒトデも。

	穏やかな海《セルリアン》

穏やかな波、暖かい水温。太陽の光を透かし、キラキラと輝く水中に、
光とともに舞うように鮮やかな熱帯魚達が珊瑚礁に集まる海域。

この世界の窓口である探索者協会からも程近いこの場所は、
色々なところから集まってきたバカンス目的の観光客や、
これから冒険に挑もうとするものたちで賑わっている。

比較的凶暴な生物もいない、穏やかな、冬でも温暖の海である。

ここ、最先端探索拠点を越えてしまえば、そこはもう未開の海だ。
ロス達のような探索者たちがどんどん先へ進めば、
後々海底探索協会が、このような拠点を設けていくのだろう。

この先はどんな危険が待ち受けていても不思議ではない。
誰も踏み入れたことのない場所なのだ。
準備を怠らず、慎重に進むといい。

どのような生き物が居るのか、どのような未知が、はたまた宝が眠っているのか。
それはこの先へ自ら進んでいく者にしかわからないのだろう。

海は、まだまだ先へと広がっている。