「冒険者さん！今日のお話は！？どんなお話をしてくれるの？」 無邪気な声音で、村のこどもたちが旅人に群がっている。 今日もひと仕事終えて宿に戻ってきたら、受付の前で待ち伏せされてしまっていたのだ。 「うーん。この世界で見てきたことは、昨日たっぷり話しちゃったしな」 困った様子で子どもたちの期待の眼差しに貫かれるのは、随分と長い旅路を経てここまで辿り着いてきたのだろう、 擦り切れた草履に汚れた黒い着流しを着た少女。 疲れているだろうに、その顔には柔らかい微笑みを浮かべ、 娯楽の少ない村のこどもたちを楽しませようと、どんな話がいいだろうかと記憶をたどる。 「仕方ない。長くなってしまうけれど、あの話をしようかな。 　あの広くて、深くて、果てしない……７つの海の物語を」 「どんなはーなしーっ！」 「ふふっ、いい食いつきだね。……こほん。それじゃあ、始めようか。 　これは、ここじゃない、とある海で満たされた世界の話なんだけれど。 　そこで住まう、一匹の貝と一匹のカニの、冒険の物語なんだ——」 ———————————— 海に一条、彗星のようにたなびく白い尾を持つ塊が水を切り突き進んでいく。 それを見たとき、誰が正しく正体を答えられるだろう。 渦巻く波の塊は、海に満ちる魔力で引き起こされた魔導によるもの。 その渦の中心にいるのは、ちいさな、一匹の黒い二枚貝。

	？？？
	「なあ！ちょっと！しじみさん！？めっちゃ速いのはわかるけど、ぐるぐる回るのきつい！ もうちょっとソフトにできんの！？ 」

悲鳴があがる。絶叫に近いそれは、貝の中から聞こえてくる。

	しじみ
	「そうは言ってもね、カニくん。これが一番速いんだよ。 回転を控えるっていうのは、できるかできないかで言えばできるよ。ただ、ちょっとばかり疲れちゃうから。 」

その声に、貝も答える。 答えながらも、加速を続ける。 ちいさな貝は、加速する渦の激流の中で、きりもみするように回転していた。 当然、中にいるカニくんもそのようになってる。

	カニ
	「ちょっとばかりってどれくらい！？ 」

	しじみ
	「そうだね、道半ばで、3日寝込むくらいかな？ 」

	カニ
	「それはよろしくないいいい！！ 」

	しじみ
	「でしょ。というわけで、もう少しの間、辛抱してもらえるかな。 」

	カニ
	「それで！もう少しって、どれくらいよ！！ 」

	しじみ
	「そうだね、あと丸一日くらいかな？ 」

それを聞いて、カニくんは諦めたように大人しくなったよ。 しじみたちが暮らしている、海で満ちた世界テリメイン。 ここに異世界から調査団がやってくるという報を知ったのは、ほんの少し前のこと。 透明なボトルに入った手紙に、この世界の神秘の遺跡の探索者を募る旨が記されていた。

	しじみ
	「この調査団が来なくても、遺跡に行くつもりだったんだけど……急ぐ旅じゃなかった。 それがまさか、こんなに急になるなんて。移動法を鍛える暇がなかったよ……。 」

開始日はひと月後。探索希望者たちは、 七つの海のひとつ……穏やかな海《セルリアン》の《海底探索協会》拠点へ赴き、 探索者登録をするって段取りになっている。 セルリアンにほど近いところに居たしじみたちにとって、記されていた拠点の位置は、 ひと月もかかるほどの距離じゃなかった。 けれど——

	しじみ
	「ぼくらは弱い生き物だ。異世界からやってくる腕利きの強者たちに、目をつけられたら旅どころじゃあないんだ。 」

そう言っている間にも、異世界からのゲートがこの世界のあちこちで次々と開いていた。 それは遠くでも強い輝きをもって知らせてくるものや、 大量の海水を呑み込んでいくもの、 雷のように降り注ぐもの、 海水を押しのけて、大量に空気を吐き出してくるもの。 さまざまな形で、さまざまな世界から、さまざまなゲートを通じて、今まさに探索者たちがやってきている。 彼らにとって、しじみたちはただのエサにしか見えないかもしれない。 たとえ意思があろうとなかろうと、食べて美味しければ、取って食うかもしれない。 ただでさえ天敵の多い二匹にとって、それは災害と言っていい事態だった。 ところで、探索者たちは、探索協会からいろんな支援を受けられる代わりに、 この弱肉強食という絶対の掟で成り立つ海の世界ではありえない、ルールの尊守が求められる。 【探索者は、探索者を襲うべからず】 このルールを破れば、ペナルティを課せられるらしい。 まあ、支援なんて必要としないほどの強者たちには、あってないようなルールだろうけれど。 もしも、やってきた探索者たちに襲われないうちに、探索者として登録してしまえれば……かなりのリスクが軽減できるはず。 しじみはそう考えて、誰よりも先に探索者登録を済ませてしまおうと急いでいたんだ。 それにしたって、あまりにも急ぎすぎていたみたいで、目的地に着いた頃にはカニくんは疲れ果てて、 しばらく口を利いてくれなかった程だった。 急ぎすぎた理由は……そうだね。 きっとしじみは——わくわくして、浮かれていたんだろうね。 見たことのない、誰も知らない、自分たちの冒険のはじまりに……。

《海底探索協会》

《海底探索協会》

しじみは周辺を探索…………。

今回はアイテムを見つけることができなかった！

しじみはビート板を購入した。

しじみはスイムアップを購入した。

しじみはブレスを購入した。

しじみは敏捷を訓練した。
しじみは敏捷を訓練した。
しじみは魔力を訓練した。
しじみは魔力を訓練しようとしたが、EXPが足りなかった。
しじみは体力を訓練しようとしたが、EXPが足りなかった。

しじみはアイテムNo.4 スイムアップを私有化！

しじみはアイテムNo.5 ブレスを私有化！

しじみはアイテムNo.6を私有化しようとしたがアイテムがない。

目的の決定