** 01-03週目 一面の海。350度見回しても、僅かな陸地か海上建造物が遠目に見える他は全てが水平線。 もっとも、降り立つ場所には他の"世界"から来訪した探索者のために陸地があるのだが。 「…本当に海なんだな…」 "ゲート"を潜り、未開の地『テリメイン』へと訪れたイリューザも本来は海を縄張りとしており 彼の"世界"でも沖に出れば今広がっているこの光景と同じようなものが見れるだろう。 しかし、この大海原がテリメインのほぼ全てを多い尽くしているのだというのだから驚くのも無理はない。 話には聞いていたが、実際に目にするとまた違った感想を抱く。 「さて、のんびりしてもいられないか。確か海底探索協会で登録をしないといけないんだっけ…」 海底探索協会。テリメインを発見した者が発足した、探索者のサポートと管理を行う協会だ。 そこで探索者としての手続きを済ませ、初めて探索者としてテリメインを渡り歩く許可を得られる。 彼のような「異形」の者でもすんなりと登録が済んだのは僥倖であった…というか、受付担当者も 彼と同じ——この海だらけの"世界"でそう呼ばれているかは分からないが——異形だったのだ。 幾分派手だが、所謂「人魚」の姿をしたロザリアネットと、これは異形と表現して 差し支えないのではないのだろうかと、この"世界"事もよくよく知らないのに思ってしまった、 金髪と紫色の肌の逞しいオークの上半身とロザリアネットと生物的に似たような 魚類の下半身を持つ、オーク・M・シュナイダーだ。 人間やイリューザのような竜族、彼女達のような人魚は勿論、原生生物、ロボット、果ては わけの分からないものまで一堂に会しているようで、竜種程度なら何とも思わないのだろう。 自分の"世界"とそれほど変わらないな、と思い、少し緊張を解く。 登録を終えて与えられた番号を確認し、僅かに目を見開く。PNo.1192、とある。 つまり自分の他に1200人弱も、この"世界"の内か外かから探索を名乗り出た者が いるということだ。協会のロビーで見かけた上記のようなヘンなのまでもが、このセルリアンに。 自分の後ろにもまだまだ登録待ちの行列があった事から、総探索者は2千人を越えそうな気配だ。 正直未開の世界に来た興奮はあるが、期待と共に少し不安を覚える。 色々見回りたい欲もあるが、後日適正試験があるそうだ。 セルリアンという穏やかな気候の海——にして、全ての探索の始まりの場所——の海底に 竜が使っているという洞窟があると聞いたので、そこへ移動して身体を休める事にする。 自分の他にも竜種がいたため、話し相手には事欠かなさそうだ。 === 探索一日目。というよりは探索の前準備にあたるのだが。 この"世界"では、能力や技術は「スキルストーン」という石のような物を介して発動するという。 ブロンズ・ドラゴニュートである彼が本来この年齢段階で習得しているはずの 習得呪文、擬似呪文能力、《波乗り体得》等の超常能力もここでは意味を成さない。 確かにテリメインは高村が言っていた通り、元居た"世界"の法則、理が この"世界"のそれで上書きされる"上位世界"だった。 神だろうが虫けらだろうがその力は抑えられ——または強化され——横一列で よーいドン、といったかたちに必然的になるこの"世界"で果たして生き抜く事ができるかどうか。 それをシュナイダーとの一騎討ちで見極めるそうだ。 …ったのだが。 スキルストーンに特殊効果——チェーンジェムと呼ばれる宝石の力——を上乗せしすぎて 数手受けただけですぐに息切れしてしまったとの事だ。 当たり前だが技を繰り出すにはスタミナや魔力が必要だが、チェーンジェムの力を用いた場合は より高い負荷が掛かるらしい。どれ程のチェーンジェムを使用したのかは分からないが 何も考えずに詰め込みすぎるとシュナイダーのように燃費が最悪になるようだ。 水中という事もありそれらの管理には一層気をつけねば、という事か。 身をもって実演してくれた結果になるが、ロザリアはシュナイダーに知らせず 分かってやっていたというのだから彼女の腹黒さが伺えるというものだ。 これから彼女の言動には少し警戒しようと思った。 === 探索二日目。 適正試験という名の準備運動を終え、翌日からはいよいよ本格的に ——若干名バカンスを楽しむものもいたそうだが——探索開始となる。 支度を整え、セルリアンの海底遺跡へと向けて潜るイリューザ。 海の感じ——水温、海流、酸素濃度、内包する物質等々——は元の"世界"のそれと 何ら変わりないように思えた。穏やかな海、と呼称されるに相応しく快適だった。 僅かだが光が届かなくなる程度の水深まで潜水したところ発見した遺跡は、 大部分が風化し、崩れ、フジツボやイソギンチャクがそこかしこに張り付いているが しかしそれと分かるような形、まさに海底遺跡と言わんばかりのを残していた。 「…内部はまだ、残っているものがあるのかな…」 探索対象がこのような「簡単な」場所にある場合、隠し部屋や階段でもない限り 既に粗方荒らされ尽くした後というのが普通である。 なので結果だけを考えると望み薄ではあるが、 敵性生物に遭遇した際に今どれだけ自身の力が及ぶのかを確認する意味もあった。 そう考えている彼の前に立ちはだかったのは、頭と四肢はあるが全く単純化されており、 まるで棒人間とでもいうような謎の生物、テリメインマイケルだった。 勿論こんな生物は見た事もないし、似たような存在も知らない。 早速いい経験になりそうだ、とイリューザはやや諦め気味な風に身構える。 快活な挨拶の後、バカンスに来た、と言うが早いか此方に攻撃を仕掛けてきたので対応し、 軽傷を負いはしたが無事に撃退できた。 この周辺の敵対生物は大体こんなものなのだろうか？ 複数遭遇したら分からないが、これぐらいなら何とかなりそうだが、油断は禁物だろう。 とりあえずは、身体を馴染ませるために深層へは行かないようにしよう。 協会も流石に分かっているのだろう、凶悪な敵性生物に遭遇するような場所に 本部は置いていないようだから、ここでこの"世界"に慣れておこう。 元の"世界"にはいなかった、聞いた事もない生物。陸地がなく、海だけが広がる"世界"。 ここが別の"世界"である事を、探索の結果手に入れた貝——既に焼いて 調理済みである——を見つめながら、イリューザは改めて実感するのであった。

イリューザはアイテムNo.7 焼き貝 を使用した。

魔力が3上がった！

	穏やかな海《セルリアン》

穏やかな波、暖かい水温。太陽の光を透かし、キラキラと輝く水中に、
光とともに舞うように鮮やかな熱帯魚達が珊瑚礁に集まる海域。

この世界の窓口である探索者協会からも程近いこの場所は、
色々なところから集まってきたバカンス目的の観光客や、
これから冒険に挑もうとするものたちで賑わっている。

比較的凶暴な生物もいない、穏やかな、冬でも温暖の海である。

遺跡探索

イリューザは、この世界の探索者としての一歩を踏み出した。
海底に沈む遺跡の探索——。

誰もがこの海の、この遺跡から冒険の一ページを刻み始める。
とはいえこの辺りはまだまだスタートライン。

もっとこの世界に眠る、謎や宝や未知の生物を目にしたいと願うなら、
このセルリアンの遺跡を抜け、さらなる海域を目指すといいだろう。

海はまだまだ遠く、広がっている。

穏やかな潮の流れに、時に身を任せ、時に原生生物を相手にし、
確実にテリメインの探索へ進んでいたイリューザは、
前方に大きな泡に包まれたドーム状の建物を発見した。
近くの岩に、建物の名前が彫られているのを確認できるかもしれない。

	テリメイン最先端探索拠点

……どうやらここが、海底探索協会の最先端拠点らしい。
これよりドームから先は、いよいよ未知なる海域が待っているのだろう。

誰も見たことのない財宝。
誰も発見したことのない未知なる生物、海底遺跡。
己の力をつけるため、願いを叶えるため……。

様々な目的を胸に秘め、各地から集まった探索者たちは旅立っていく。

テリメイン最先端探索拠点は、そんな夢を秘めた冒険者たちに、
最先端のスキルストーンやチューンジェムを揃えて販売している。

この拠点より先は、海底探索者協会の目が届かない海域だ。
【海賊】と呼ばれる者たちに襲われる危険性もあるかもしれない。

未知なる海域へ足を踏み入れる前に、ここで十分に準備をしてもいいだろう。

イリューザは周辺を探索…………。

SSシェルボックス（低）を手に入れた！

イリューザはSSシェルボックス(低)を購入した。

イリューザはSSシェルボックス(低)を購入した。

イリューザはTGシェルボックス(低)を購入した。

イリューザはビート板を購入した。

イリューザは体力を訓練した。
イリューザは体力を訓練した。
イリューザは敏捷を訓練した。
イリューザは器用を訓練した。

竜の爪牙 に 物攻力強化 を実行！
竜の爪牙 の 物理攻撃力 を 1回強化した。

竜の爪牙 に 命中力強化 を実行！
竜の爪牙の強化回数限界！
日数回分までしか強化は行えない。

防水ツールポーチ に 回避力強化 を実行！
防水ツールポーチ の 物理回避、魔導回避 を 1回強化した。

イリューザはアイテムNo.8 ブレスを私有化！

イリューザはアイテムNo.9 ボディブローを私有化！

目的の決定