「わ～、コレがスキルストーンですカ！キレイですネェ」 出会いから数日の後。 二人はテリメインに到着し、海底探索協会での実力試験を経て 無事に冒険者登録を済ませていた。 職員から受け取ったスキルストーンを光に翳し、カエリオは嬉しそうに笑う。 「水中で呼吸が出来たり、服が濡れないなんて本当にスゴイですよネ、ミシカル！」 「でも…これ。失くしそう、だな…」 一方のミシカルは心持ち不安げに手のひらの上の石を見遣った。 どうにもぼんやりした所のある彼は、日頃から物をよく失くすのだ。 「フフフ、ボクは大丈夫でス！何故ならコレを…こうしテ……」 「？」 「…出来ましタ！どうですカ？」 そう言って得意満面の笑みを浮かべたカエリオの手には、 鯨骨の首飾りの紐に結え付けられたスキルストーンがあった。 「いつも身に付けてル御守りでス。コレならきっと失くすことナイですヨ」 「すごい……。器用、だね。カエリオ」 「フフー！誉められると照れちゃいまスー！」 成程、と感心するミシカルの言葉に冗談めかして笑うカエリオ。 そんな彼にミシカルは「実は、ね…」と言いつつ、自身のフードの中に手を差し入れる。 「……ほら。オレも。同じの。持ってる…」 「わ、お揃いでス！鯨骨の細工が漁師の御守りになるのは、今も昔も変わらないんですネ」 鯨の骨や歯を削り出して作る細工物は、古くから現在に至るまで極めて一般的な工芸品だ。 どの街にもそれらを鮮やかな紐で括ったり、繊細な彫刻を施した物を取り扱う店があって、 言い換えれば特に目新しい物ではない。 「これ…オレの、にも。同じ、に、できる？」 「勿論でス！任せて下さイ！」 二つ返事で請け負ったカエリオはニコニコしながらそれを受け取る。 手のひらの上に乗る程度のそれは、作りもほぼ同じようなものだ。 これなら容易にストーンを括り付けることが出来るだろう…… そう考えて特に何を思うでもなく、それを軽く握ったとき。 親指の腹に何やら凹凸らしきものが触れた。 「……アレ？」 思いも寄らない感触に視線を落とす。 受け取った時の面だけ見たときにはただ表面を滑らかに磨いただけの物だと思ったのだが、よく見るとその裏面には何かが彫り込まれていた。 とても小さい、何か。 ……まるで、文字のような。 （！？ コレって……） 慌てて自身の首にかけたものとそれとを見比べる。 ≪ルクス・エテルナ≫。 ——二つには全く同じ文言が、同じ古代文字で刻まれていた。 「…カエリオ」 名を呼ばれてはっと意識を呼び戻される。 顔を上げると、ミシカルが自分に向かって何かを差し出していた。 つられるように手を出すと、チャリンと軽やかな音を立てて 数枚の硬貨が手のひらに落とされる。 決して少なくはない額に、一時首飾りの文字のことを忘れカエリオはきょとんとした。 「…ひょっとして、コレを括るお駄賃ですカ？ それだけのために、こんなに貰えないですヨ」 「ううん…違う。俺、今から、造船所…探しに、行く。から。 その間……食料、とか。必要な、もの…買っておいて、ほしい。 余ったら…好きなの、買っていい、よ」 「わ、つまりお使いですネ！？わかりましタ！」 先程までの難しい表情とは一転して嬉しそうにするカエリオに、 ミシカルもどこか満足そうに頷いて見せる。 「でも、ミシカルは一人で大丈夫ですカ？」 「大丈夫。前、世話になった、船大工に。手紙…貰ってる。設計図も……ある、し」 「だから心配しないで」と続けたミシカルに、カエリオは笑顔を浮かべてハイと答えた。 「じゃあ…一刻半後。また、ここで」 「分かりましタ、この広場ですネ！…スキルストーンも、ちゃんと結えておきまス」 「うん。あり…がと」 そう言って二人は街中で別れる。雑踏の中に消えていく後ろ姿に手を振りながら、 カエリオはふっと小さく息を吐いて、手の中の首飾りを軽く握った。 「 ≪ルクス・エテルナ≫。 ……ミシカル。アナタは一体、誰？」 ++++++++++++++++++++++++++++++ PNo.974 カエリオの日誌に続きます ++++++++++++++++++++++++++++++

	穏やかな海《セルリアン》

穏やかな波、暖かい水温。太陽の光を透かし、キラキラと輝く水中に、
光とともに舞うように鮮やかな熱帯魚達が珊瑚礁に集まる海域。

この世界の窓口である探索者協会からも程近いこの場所は、
色々なところから集まってきたバカンス目的の観光客や、
これから冒険に挑もうとするものたちで賑わっている。

比較的凶暴な生物もいない、穏やかな、冬でも温暖の海である。

遺跡探索

ミシカルは、この世界の探索者としての一歩を踏み出した。
海底に沈む遺跡の探索——。

誰もがこの海の、この遺跡から冒険の一ページを刻み始める。
とはいえこの辺りはまだまだスタートライン。

もっとこの世界に眠る、謎や宝や未知の生物を目にしたいと願うなら、
このセルリアンの遺跡を抜け、さらなる海域を目指すといいだろう。

海はまだまだ遠く、広がっている。

穏やかな潮の流れに、時に身を任せ、時に原生生物を相手にし、
確実にテリメインの探索へ進んでいたミシカルは、
前方に大きな泡に包まれたドーム状の建物を発見した。
近くの岩に、建物の名前が彫られているのを確認できるかもしれない。

	テリメイン最先端探索拠点

……どうやらここが、海底探索協会の最先端拠点らしい。
これよりドームから先は、いよいよ未知なる海域が待っているのだろう。

誰も見たことのない財宝。
誰も発見したことのない未知なる生物、海底遺跡。
己の力をつけるため、願いを叶えるため……。

様々な目的を胸に秘め、各地から集まった探索者たちは旅立っていく。

テリメイン最先端探索拠点は、そんな夢を秘めた冒険者たちに、
最先端のスキルストーンやチューンジェムを揃えて販売している。

この拠点より先は、海底探索者協会の目が届かない海域だ。
【海賊】と呼ばれる者たちに襲われる危険性もあるかもしれない。

未知なる海域へ足を踏み入れる前に、ここで十分に準備をしてもいいだろう。

ミシカルは周辺を探索…………。

テリワカメを手に入れた！

ミシカルは物攻を購入した。

ミシカルは体力を訓練した。
ミシカルは体力を訓練した。
ミシカルは体力を訓練した。
ミシカルは器用を訓練した。
ミシカルは器用を訓練しようとしたが、EXPが足りなかった。

ラルス・アーラス に 物攻力強化 を実行！
ラルス・アーラス の 物理攻撃力 を 4回強化した。
装備名を ラルス・アーラス に変更！

ミシカルはアイテムNo.7 テリワカメを私有化しようとしたがスキルストーンではなかった。

ミシカルはアイテムNo.8を私有化しようとしたがアイテムがない。

ミシカルはアイテムNo.9を私有化しようとしたがアイテムがない。

目的の決定