「ど～したの？　さっきからずっとそれ眺めてるけど…」 キャビンのシートに浅く腰掛け、手にしたスキルストーンをぼんやりと見つめていた俺に、狐が話し掛けた。 ただの石にしか見えないそれの機能は、本当に驚くべきものだった。 海の中でも、陸の上と変わらない行動が取れる。 呼吸も、会話も、水圧による動きの制限さえも何ら不自由を感じることがなかった。 最初は半信半疑だったが…実際に体験してみた以上、受け入れるしかない。 これがあれば、俺の潜水士としてのスキルなど必要ない。 それは… 「学んだ技能が生かせないの、そんなにショックだった？」 からかうように話す狐。いちいちムカつくやつだ。 「まぁ、な。」 ぶっきらぼうに返事をする。 「あれ？　意外と素直じゃん☆」 話を肯定してやると、狐は意表を付かれたようだ。いくらか気遣うような口ぶりになった。 「でも、元の世界でなら身につけた技能が無駄になることはないんじゃない？」 「そう簡単な話でもないんだよ。」 「……？」 俺の答えに狐は振り返り、首を傾げて不思議そうにこちらを見ている。 「前を見て運転しろ。事故られたらかなわん。 ああ、俺の世界…ティオポーザは水産業が盛んで、それにあわせて水運も発達しているんだ。」 日常的に水に接する機会が多いということは…それに伴う事故も多い。 だから、俺のような水難救助の専門家が養成されている。 「俺の世界にもコイツがあれば…このスキルストーンの技術が俺の世界にも持ち込まれれば、 水の事故で不幸な目に遭うものはいなくなる。」 「それは、良いことだろう？　俺の学生生活…学んだ潜水士の技能が無駄になるくらいなら、安いものさ。」 俺の仕事がなくなるのは…俺の努力が無駄になることは、良いことなのだ。 それは、世界から不幸がひとつ減ることを意味しているのだから。 奇跡をもたらすその石に視線を戻して、指で軽く撫でる。 「なるほどね～☆」 狐がのほほんと相槌を打つ。 「ん～☆　でも、スキルストーンの特殊な性質は、この世界と深く繋がってるみたいだから… 単純に他の世界へ持ち出しただけだと、たぶん使えなくなっちゃうと思うんだよね♪」 「そうだな。」 それは俺も理解している。 スキルストーンがどこでも機能するのなら、この世界を発見した海底探索協会は、 観光客の誘致や遺跡探索などよりも、これを売ることに力を入れていただろう。 水にまつわる不便を一通り無くせるのだ。その方が遥かにビジネスになる。 「で、これから…どうするの？」 唐突に狐が尋ねる。 「ここにいても潜水士の経験は積めないってことが分かったなら、もう居る意味はそんなに無いんじゃない？ 今日もなぁなぁで海の上に連れてきちゃったけどさ…」 「もし探索をやめるっていうなら、引き止めはしないよ。卒業旅行に切り替えるならまだしもね♪」 そう言って狐はボートの速度を緩めた。探索する予定の海域に着いたのだ。 「………。」 「目論見が外れちゃったのは悔しいかもしれないけれど、 まぁ…ここで止めて帰ったとしても、恥ずかしくはないんじゃない？」 茶化すような、憐れむような口ぶり。 腹は立つが…これは狐の言う通りかもしれない。無駄だと分かったなら、さっさと方針を変えるのが賢い選択だ。 間違いを認めずに、ずるずると引き延ばすのは傷を広げるだけの愚かな行為だ。しかし… 「いや、恥ずかしい。」 ムッとした口調で返す。 「ここまで来て、手ぶらで帰れるかよ。」 「お前の言う通り、ただスキルストーンを持ち帰っても意味がないかもしれない。 けれど、スキルストーンの機能を発現させる仕組みを解明して、それを持ち帰れば成果になる。」 海底に沈んだ遺跡群に、スキルストーンの謎の手がかりがあるかもしれない。 もしそれを発見できたなら大手柄だ。歴史に名を残せるほどの。 海底探索協会の狙いも、もしかするとそれなのかもしれない。 「おや、がんばるね～☆」 狐はにやにやと笑いながら、気楽な調子で探索の準備に取り掛かった。 「ふん。」 軽口を叩く狐を無視して立ち上がり、ボートの縁からキラキラと輝いている波間を眺める。 鮮やかな熱帯魚達が珊瑚礁に集っているのが、太陽の光を透かした水の中に見えた。 その姿はまるで、光とともに舞っているかのように… 海はまだまだ遠く、広がっていた。

シアはアイテムNo.5 ナマコ を使用した。

精神が3上がった！

	穏やかな海《セルリアン》

穏やかな波、暖かい水温。太陽の光を透かし、キラキラと輝く水中に、
光とともに舞うように鮮やかな熱帯魚達が珊瑚礁に集まる海域。

この世界の窓口である探索者協会からも程近いこの場所は、
色々なところから集まってきたバカンス目的の観光客や、
これから冒険に挑もうとするものたちで賑わっている。

比較的凶暴な生物もいない、穏やかな、冬でも温暖の海である。

遺跡探索

シアは、この世界の探索者としての一歩を踏み出した。
海底に沈む遺跡の探索——。

誰もがこの海の、この遺跡から冒険の一ページを刻み始める。
とはいえこの辺りはまだまだスタートライン。

もっとこの世界に眠る、謎や宝や未知の生物を目にしたいと願うなら、
このセルリアンの遺跡を抜け、さらなる海域を目指すといいだろう。

海はまだまだ遠く、広がっている。

穏やかな潮の流れに、時に身を任せ、時に原生生物を相手にし、
確実にテリメインの探索へ進んでいたシアは、
前方に大きな泡に包まれたドーム状の建物を発見した。
近くの岩に、建物の名前が彫られているのを確認できるかもしれない。

	テリメイン最先端探索拠点

……どうやらここが、海底探索協会の最先端拠点らしい。
これよりドームから先は、いよいよ未知なる海域が待っているのだろう。

誰も見たことのない財宝。
誰も発見したことのない未知なる生物、海底遺跡。
己の力をつけるため、願いを叶えるため……。

様々な目的を胸に秘め、各地から集まった探索者たちは旅立っていく。

テリメイン最先端探索拠点は、そんな夢を秘めた冒険者たちに、
最先端のスキルストーンやチューンジェムを揃えて販売している。

この拠点より先は、海底探索者協会の目が届かない海域だ。
【海賊】と呼ばれる者たちに襲われる危険性もあるかもしれない。

未知なる海域へ足を踏み入れる前に、ここで十分に準備をしてもいいだろう。

シアは周辺を探索…………。

酢の物を手に入れた！

シアはSSシェルボックス(低)を購入した。

シアはSSシェルボックス(低)を購入した。

シアはSSシェルボックス(低)を購入した。

シアはSSシェルボックス(低)を購入した。

シアはSSシェルボックス(低)を購入した。

シアは体力を訓練した。
シアは体力を訓練した。
シアは魔力を訓練した。
シアは敏捷を訓練した。
シアは精神を訓練した。

シアはアイテムNo.9 ヒールを私有化！

シアはアイテムNo.11 ガードを私有化！

シアはアイテムNo.12 ガードケアを私有化！

スキルNo.6 マジックブレイク をアイテムNo.10 魔攻 で改造！
スキルNo.6 マジックブレイク に 魔攻 を付加！

マジックブレイク に マジックブレイク+ と名付けた！

目的の決定