ルネス
	「フン、実力試験とか楽勝だったな！」

	ルカ
	「ま、まぁそういうことにしておきましょう……」

海底探索協会の課す審査という名の出来レースチュートリアルを終えた二人は、さっそく遺跡探索に向かって波を切っていく

	ルカ
	「それにしても珍しいですね、天涯孤独の可能性大なルネスが、海底探索協会に参加なんて」

	ルネス
	「そうか？　ウチとしては理にかなった行動だとおもうぜ？」

	ルカ
	「その心は？」

	ルネス
	「前から言ってるだろー？ ウチの夢はウチ自身の船を持つことだ！ 金の匂いがしそうな所にはどんなところにだって飛んでいくぜ」

	ルカ
	「なるほどそういう……」

にかっと笑いながら得意げに話す銀色きつね。 物心ついたときからこの桃色いるかと二人で過ごしてきた彼女の夢は、手に入れた自分の船で、いつか大海原を駆け巡る大冒険をすることであった。 今はそのための資金集めに奔走している。

	ルネス
	「それに」

	ルカ
	「それに？」

	ルネス
	「遺跡探索なら、ルカが探してる秘宝とやらも見つかるかもしれないだろ？」

	ルカ
	「あれ、気に掛けてくれていたんですか？　私の夢……」

	ルネス
	「そりゃ大事な相棒だからなー！」

対する桃色いるかの願いは、どこかの海に眠るといわれている伝説の秘宝「水の翼」を見つけ、空を飛べるいるかになることであった。 その目的は、「地上で活動しているときのルネスを見守ってあげたい」という健気な想いからきている。

	ルネス
	「あ、剥ぎ取って売ったら金になりそうなヤツ発見！ ルカ、あの青い海竜に向かって出撃ー！」

	ルカ
	「夢を持つのは良いですが、その手段に他人といざこざを起こすことはやめてください」

呆れた顔のルカ。しかしいつもの事である。

	ルカ
	「まずはちゃんとご挨拶から。礼儀正しくですよ」

	ルネス
	「ま、わかってるって」

(PNo.949の日誌に続く……)

	穏やかな海《セルリアン》

穏やかな波、暖かい水温。太陽の光を透かし、キラキラと輝く水中に、
光とともに舞うように鮮やかな熱帯魚達が珊瑚礁に集まる海域。

この世界の窓口である探索者協会からも程近いこの場所は、
色々なところから集まってきたバカンス目的の観光客や、
これから冒険に挑もうとするものたちで賑わっている。

比較的凶暴な生物もいない、穏やかな、冬でも温暖の海である。

遺跡探索

（あなた）は、この世界の探索者としての一歩を踏み出した。
海底に沈む遺跡の探索——。

誰もがこの海の、この遺跡から冒険の一ページを刻み始める。
とはいえこの辺りはまだまだスタートライン。

もっとこの世界に眠る、謎や宝や未知の生物を目にしたいと願うなら、
このセルリアンの遺跡を抜け、さらなる海域を目指すといいだろう。

海はまだまだ遠く、広がっている。