嵐で前の記録がダメになった。文字が滲んじまった。 改めて今日から書き直すことにする。 《漂流から１日目》 とりあえず、ジェネヴラで周辺を探索した。 島らしきものは相変わらず見つからないが、海中に潜ってみると、 家やら柱みたいなのが海の底にあるのがわかった。 もう少し近くまで行きたいが、深すぎてあそこまで潜るのは難しい。 さすがにジェネヴラがあるとはいえ、板一枚でこの広い海を探索するのには限界がある… 手と足の皮がふやけて、感覚がなくなって随分経つ。 仲間ももちろん、乗ってきた舟の残骸すら見つからない。 最悪俺はこの海のど真ん中で死ぬか。しかし新しい島も見つからないまま、俺たちが帰らなければ故郷の島が沈む。 《２日目》 舟を見つけた。が、俺たちの舟じゃない。 俺たちのよりもずっと立派なものだ。 残った力で、なんとか手を振り、声をあげると、舟の持ち主が気づいた。 飯もろくに食ってない上に、ずっと板にしがみついていたせいで 体力も残ってなかったから俺は舟に上げられてすぐ気絶したようだ。 命は助かった。生きている。 《３日目》 快晴。 舟の持ち主は"テラ"といった。 俺と年の近い男。俺の姿を見たときになんだか不満そうだったのは、 俺の髪が長いから女だと思っていたらしい。 とはいえ、助けられた上に飯も分けてもらった。 この辺りのことについて聞いてみた。 ここはテリメインと呼ばれてて、島と呼べるものはほとんど沈んでること。 海の底にある建物（遺跡というらしい）を調べる、「海底探索協会」というものがあって、 テラはそこに雇われているということ。 仲間たちのことについて聞いたが、俺みたいな男は見ていないらしい。 協会に所属すれば、仲間を探しやすいし、物資や金ももらえるとテラは言っていた。 とりあえず、協会に案内してもらうことにした。

	穏やかな海《セルリアン》

穏やかな波、暖かい水温。太陽の光を透かし、キラキラと輝く水中に、
光とともに舞うように鮮やかな熱帯魚達が珊瑚礁に集まる海域。

この世界の窓口である探索者協会からも程近いこの場所は、
色々なところから集まってきたバカンス目的の観光客や、
これから冒険に挑もうとするものたちで賑わっている。

比較的凶暴な生物もいない、穏やかな、冬でも温暖の海である。

遺跡探索

（あなた）は、この世界の探索者としての一歩を踏み出した。
海底に沈む遺跡の探索——。

誰もがこの海の、この遺跡から冒険の一ページを刻み始める。
とはいえこの辺りはまだまだスタートライン。

もっとこの世界に眠る、謎や宝や未知の生物を目にしたいと願うなら、
このセルリアンの遺跡を抜け、さらなる海域を目指すといいだろう。

海はまだまだ遠く、広がっている。