オーク教官との試験が終わった。……スキルストーンの空気の残量には気をつけよう。うん。 　募集が受け入れられ、パーティーとして行動することになった。これからはこの二人と長い付き合いになるだろう。この出会いが、そしてこの3人の旅路が良きものになるよう、祈りを捧げよう 　この日から数日後。ルイーザから連絡が入った。私の信仰するセラム教の宗派の一つ。私が信仰し、私の故国の国教でもあるセルリア正教。我がキストラー家は、代々公爵家として統治をすると共に民の安寧を願って常にこの正教の導きの下祈りを捧げてきた。キストラー家の持つ権威は、究極的にはこの正教に起因する。その正教の総本山である「聖領ザラム」が、魔族の軍勢に大敗を喫し、陥落したという。極夜が始まり、魔皇帝エルゼベトとその腹心マーシアが北極に居座る魔軍の最高戦力を率いて進軍したのだ。法王聖下がその身を犠牲にして、なんとかエルゼベトとマーシアに痛手を負わせることには成功したらしい。これにより人的被害は最小限に抑えられたそうだ。加えて、数年以上は北極からの侵攻はないだろうと予測されている。だが……その侵攻時の映像は、余りにも強烈だった。私の信仰する宗派の総本山が、あそこまで蹂躙されるとは……

	アウラ
	「……我が公国の民達は……どれほど不安に駆られているだろうか。国土を失い、家族を失い、そして信仰してきた宗派の総本山までも奪われた……」

	アウラ
	「歯がゆいな。私に後継者が居れば、民達と、我が国の赤子たちと共に居たいのに……」

	アウラ
	「……今は、力をつけること、財宝を、資産を手にすることを最優先に考えよう」

	穏やかな海《セルリアン》

穏やかな波、暖かい水温。太陽の光を透かし、キラキラと輝く水中に、
光とともに舞うように鮮やかな熱帯魚達が珊瑚礁に集まる海域。

この世界の窓口である探索者協会からも程近いこの場所は、
色々なところから集まってきたバカンス目的の観光客や、
これから冒険に挑もうとするものたちで賑わっている。

比較的凶暴な生物もいない、穏やかな、冬でも温暖の海である。

遺跡探索

（あなた）は、この世界の探索者としての一歩を踏み出した。
海底に沈む遺跡の探索——。

誰もがこの海の、この遺跡から冒険の一ページを刻み始める。
とはいえこの辺りはまだまだスタートライン。

もっとこの世界に眠る、謎や宝や未知の生物を目にしたいと願うなら、
このセルリアンの遺跡を抜け、さらなる海域を目指すといいだろう。

海はまだまだ遠く、広がっている。