「またクビんなった……」 「まあまあ、そう落ち込まないで。ほぅらシロの好きな干し肉だよ。」 大きなリングピアスの付いた耳をふわふわと揺らし彼、シロと呼ばれた少年は路地の階段に腰を下ろし大きく項垂れていた。 この街に来たのはつい数日前。各地を転々とし、身元不明の子連れ獣人を雇ってくれる所なんて少ない中、様々な場所で危険な依頼や怪しい店の手伝いなんかで生計を立てながら必死に探し回りやっとこの街でまともな職を見つけたのだ。 魔道具関係の仕事で、慣れていない作業ではあったがなんとかこなし、店主へのファーストインプレッションもなかなか好印象のはずだった。 すべてを台無しにしたのは横でのんきに干し肉を貪っている白い毛玉みたいな子供。 はあ、と大きくため息を吐くと今までの記憶が蘇ってくる。 思えばこいつを拾ってからというもの、バイトが3日以上続いたためしがない。 街の下水掃除のバイトの時は、ネズミのモンスターを怒らせたまま街に逃げ人々を大パニックにし、潰れかけの酒場で働いた時は店の貯蔵庫の肉をすべて平らげ閉店にまで追い込み店主に殺されかけ。 そして今しがたクビになった魔道具専門店では、契約召喚の魔導書を勝手に使用し悪魔を召喚。遊びで呼び出されたと分かった悪魔が怒り狂い大暴れで危うく死ぬところだった。 考えればいくらでも出てくる悪逆非道と呼ぶに相応しい行いの数々。今食べている干し肉だってこの間の酒場で盗んできた肉の余りだ。 「一体これからどう生きていくんだよォーッ！！」 こちらの悲痛の叫びなどどこ吹く風と聞き流し、干し肉にも飽きたのかくるくると指で髪を巻いて遊んでいる。 ——と思いきや突然何かを見つけたようにすくと立ち上がると、店横の掲示板まで駆け寄り、一枚紙を破り取って来て見ろとばかりに顔に押し付けてくる。 「な、なんだよ。なに、なにこれ。」　紙を奪い取り目を通す。 「……海底探索協会？てり……メイン……？」 そこには、テリメインと呼ばれる未開の地域があること、そしてその未開の地を探索、調査してくれる者を募っている旨と海底探索協会なるものの連絡先などが大雑把に記載されていた。 眠るお宝の山、未知の生物、全てを統べる魔法。 なんて信用できない単語の数々だろうか。「胡散臭い」と紙を投げ捨てリュックを背負い立ち上がる。 今日は何が食べたいなんて声をかけようとした瞬間、ハッとしてポケットから急いで財布を取り出し中を確認する。何度も何度も中を隅々まで覗くが、案の定残金は0だった。 すっかり忘れていた、先程店の修理費を支払ったことで手持ちが底を突いていたことを。 「ああァーーッ……もう終わりだ、ご飯が食べれないなんて……さようなら現世。」 今まで幾度となく死地を抜けて来たが今回こそもう終わりだ、飯にありつけないで腹ペコのまま死んでいくのだ。呆れたように溜息を吐く横の子供をよそに、大の字で地面に寝転がり死を覚悟したように目を閉じと、ふと——先程の胡散臭いビラに書いてあったことを思い出す、 　——テリメインには未知の生物が大量にいる 「そうか……海……」 閃いたように勢い良く飛び起き、飛んでいかずにいたその紙を再び手に取る。 「未開の地域テリメイン、ね……正直この海底探索協会ってのもまったく信用出来ないけど、もう贅沢も言ってられねえ。」 この世は生きるか死ぬか、弱肉強食。このままここで野垂れ死ぬくらいなら、いっそ未知の生物をたらふく食べて、遺跡で宝の一つでも見つけてから死んでやる。 「未知の生物、食い尽くしてやろうぜ！」 大きく深呼吸をし、横にいる子供の頭をぐしゃぐしゃ撫でる。 心を決めたように前を向くと、目的地を目指し強い足取りで歩き出す。 そんな彼の腹からは、空気を読まない間抜けな音が鳴り響いていた——

《海底探索協会》

《海底探索協会》

シロは周辺を探索…………。

今回はアイテムを見つけることができなかった！

シロは回避を購入した。

シロは敏捷を訓練した。
シロは敏捷を訓練した。
シロは敏捷を訓練した。
シロは敏捷を訓練した。
シロは器用を訓練した。

すごい網 に 強化なし を実行！
装備名を お手製魚取り網 に変更！

葉っぱ に 回避力強化 を実行！
葉っぱ の 物理回避、魔導回避 を 3回強化した。
装備名を お手製水着 に変更！

シロはアイテムNo.3 回避を私有化しようとしたがスキルストーンではなかった。

目的の決定