協会に入って、とりあえず実力試験だとオークの人魚を倒して（この時、鎧を着ていれば元の世界では爆笑の渦が巻き起こること間違いなしだったのに、と思ったのは内緒だ）、件の装備一式を正式に受け取って協会を出されたところで、アタシは大きく溜息をついた。

……これ、本当にただの石じゃないの？

実力試験の際に選んでくださいと腹黒い受付嬢に渡されたものは、そこらの行商人がゴザをひいて売っている瑪瑙や長石のような、手のひらサイズの天然石だった。《スキルストーン》と呼ばれるもので、これさえあれば呼吸と水圧の心配はないのだという。 　実際この石を持ったまま水中へ入ってみたけれども、確かに息が奪われることも、水圧からくる圧迫感も不快感も感じなかった。ただ、完全に水をシャットアウトできるものではないらしく、陸に上がる際に効果が切れて、服や髪の毛の一部が濡れてしまった。商売道具のリュートだけは死守したが、上半身の外衣はなんとかしたい、というくらいには磯の香りに包まれている。というか肌寒さすら感じるのだ。 　水も滴るなんとやらって言うけれど、流石にこのままでは、他の荷物にまで香りと塩気が移ってしまうわね。道からすぐ、少しだけある段差から砂浜に飛び降りて、適当な大きめの流木に荷物を一通り置く。そこから海の近くに寄って、一番濡れた浅葱の外衣を脱ぎ、しっかりと水気を切るように絞った。

……濡れるようなものはゴメンよねぇ

当然試験の後文句を協会に言いつけたので、最初に使ったスキルストーンとは別の、もう少し透明度の高い石を再び選びなおした。純度や性能が良ければもっと綺麗な石になるらしいが、あいにく協会で準備できるのはこれが精一杯とのことで。そこまで手が回らない程、協会に登録者が殺到しているのだろうか。 　だが、こんな海に投げ入れたらそのままなくなってしまいそうな石を、裸のままで持っているわけにはいかない。今も、流木の上に心許ない状態でただ置かれている。この木を蹴り転がしたら砂の中に埋もれて見失って、何年かしたら偶然見つけた人がモザイクタイルの素材にでも使いそう。そんな連想が頭に浮かんだ。

…………

アタシは流木に絞った上衣を広がし、背嚢の中を探る。程なくして目当てのものが手に当たった感触があったので、すぐに摘んで引っ張り出した。 　それは金色に輝く、小さな幾つかのガムランボールだった。といっても、音を鳴らす鈴を内包した真鍮の球は入っていない。丸い籠のような形であり、今手元にある《スキルストーン》を入れるのに丁度良さそうな大きさである。そういえば所々、繊細な装飾が施された部分に、小さな石を嵌め込むための窪みがあるような……？

……あの娘

こうなることをわかってて渡してきたわね。あの時は餞別です、としか言ってなかったのに。怪しいと思って後で鑑定してみたら、金メッキを施した銀製のものだったから、そのうち高く買い取りそうな所に売り払ってやろうかと思ってたのに。 　何も告げなかった半色の髪の少女の魂胆を考えると非常に癪に障るが、現状これ以外に身に付けて持ち運べそうなものが思いつかない。開閉のための機構はすぐには外れず、。《スキルストーン》を入れて再度閉じて軽く振ってみたが、思ったよりは強度も十分なようで、《スキルストーン》を内蔵していても、互いに傷がついたり壊れそうな様子はない。既につけていたオペラネックレスを外して、慎重に通せば、そこそこ見栄えする出来になった。 　陽光を受けて煌めくその輝きを見て、少しだけ気分が晴れる。あの娘にまた会う機会があったら、《スキルストーン》を僅かばかりの感謝の品でもあげようかしら。 　そろそろ乾いたであろう上衣を再び羽織って、キョロキョロと辺りを見渡す。先程の協会の周辺からは、仲間を募集している者の呼びかけの声や、これから何処へ行こうかと話し合っているのか、あるいは地元の人々が店じまいを済ませたのか、賑やかな声が聞こえてくる。 　しかし少し道から下っただけのこの砂浜は静かなもので、沈み始めた夕日に伸びる影も見当たらなかった。高台からの眺めも良かったけれど、すぐ間近に迫る波を見て、海へ向けて歌うのも悪くない。 　もしかしたら、ちょっと風変わりな子がこの海岸線に来て、アタシの歌を聞きに来てくれるかもしれないしね。愛用のリュートを手に、先程書いた歌を歌い始めた。 　——海の色を閉じ込めた　胸の輝きそのままに—— 　どこまで行こうか　いつか出会えるその時のため 　待つ夜を憂えども　迎える朝を願えば 　その光が導きになって　先を照らし出してくれるから——

	穏やかな海《セルリアン》

穏やかな波、暖かい水温。太陽の光を透かし、キラキラと輝く水中に、
光とともに舞うように鮮やかな熱帯魚達が珊瑚礁に集まる海域。

この世界の窓口である探索者協会からも程近いこの場所は、
色々なところから集まってきたバカンス目的の観光客や、
これから冒険に挑もうとするものたちで賑わっている。

比較的凶暴な生物もいない、穏やかな、冬でも温暖の海である。

遺跡探索

（あなた）は、この世界の探索者としての一歩を踏み出した。
海底に沈む遺跡の探索——。

誰もがこの海の、この遺跡から冒険の一ページを刻み始める。
とはいえこの辺りはまだまだスタートライン。

もっとこの世界に眠る、謎や宝や未知の生物を目にしたいと願うなら、
このセルリアンの遺跡を抜け、さらなる海域を目指すといいだろう。

海はまだまだ遠く、広がっている。

——辺りは穏やかな潮の流れと、ちらほら入る光で暖かい。
まだまだ遺跡は先へ続いている……。

オリヴィエは周辺を探索…………。

ナマコを手に入れた！

オリヴィエはSSシェルボックス(低)を購入した。

オリヴィエはSSシェルボックス(低)を購入した。

オリヴィエはSSシェルボックス(低)を購入した。

オリヴィエはTGシェルボックス(低)を購入した。

オリヴィエはTGシェルボックス(低)を購入した。

オリヴィエは器用を訓練した。
オリヴィエは精神を訓練した。
オリヴィエは精神を訓練した。
オリヴィエは精神を訓練しようとしたが、EXPが足りなかった。
オリヴィエは精神を訓練しようとしたが、EXPが足りなかった。

浅葱色の装束 に 回避力強化 を実行！
浅葱色の装束 の 物理回避、魔導回避 を 3回強化した。

浅葱色の装束 に 魔防力強化 を実行！
浅葱色の装束の強化回数限界！
日数回分までしか強化は行えない。

浅葱色の装束 に 回避力強化 を実行！
浅葱色の装束の強化回数限界！
日数回分までしか強化は行えない。

目的の決定