オリナ「今日はお疲れ様でした、シオネちゃん。 それじゃあ、早速で悪いけど情報共有を済ませちゃおうか」

手を組み、銀の壁に寄りかかりながら、姉の問いかけに返す。

シオネ「試験はクリアしたよ。呼吸がまだ慣れない。 とりあえず周辺をぐるっと散策してきたけど……まあこんな感じか、ってとこ」

オリナ「怪我とかはしてない？大丈夫？痛くなかった」

心配そうに問いかけながら、ペタペタと頬や肩に触れてくる姉。

シオネ「触らないでよ」

その手つきが気に食わなかったので、とりあえず振り払う。

シオネ「いちいち大げさ。これからどんどん深くまで潜ってくのに、模擬戦でこんな、過保護すぎ。迷惑だから」

そもそも、怪我など昔は毎日のようにこしらえたものだ。 ……話がややこしくなるので、思うだけで口には出さないけれど。

オリナ「大丈夫ですよ！これからは一緒に行動できますし。お姉ちゃんが守るからね！」

……はぁ。 心の中の溜息が、そのまま口に出る。

シオネ「料理の調査は大して進展してないけど……このあたりには生物が居るね。イワシ、ナマコ……それからヒトデか。食べられるかは分からない」

オリナ「イワシは良いですね！そのまま調理しても良し、塩漬けにしても良し。 ナマコ、はアジアの方で食べることもあると聞いたことがある気がするけど……ヒトデって食べれるのかな？」

何事も試しだとは思うが、毒はちょっと怖い。 試食の前にそのあたりの調査はしなくてはいけないのだ。面倒臭い。

オリナ「でも、しらすに水牛も含めて考えると、どうも私達の世界と変わらない生物も生息しているようで安心できますね」

名前だけ同じというオチでない事を祈りたい。 種族が似てても産地で味が全然違うなんて話はとてもよくある事だし、全く同じ勝手で調理できるなんて事はそもそもあまり期待してはいないが。

オリナ「私の方の成果は、漁業組合への顔出しと……業務提携の依頼がありました」

シオネ「そうか、漁業組合、こっちにもあったか。それは運がよかった」

食材について調べるにも役立ちそうだし、仕入れを確保するにも向いているかもしれない。 ただ、姉がそれ以上を語らないところを見ると、本当に今回は顔出しだけだったのだろう。 それよりも気になるのは。

シオネ「で、本題が」

オリナ「テリメインの海中を巡航するホテル、“八四〇一”がこの度試用運転を始めたそうです。 そちらの、代理管理人の方から料理やお酒の提供を依頼されたんだ。私は受けても良いと思うんだけど、シオネちゃんはどう？」

海中巡航ホテル“八四〇一”。聞いたことのない名だ。 しかし……

シオネ「ホテルとの業務提携……」

シオネ「かなり良いじゃない。大口の依頼だね」

今の状況では、飛びつくに決まってる。

シオネ「もちろん賛成するけど……そうなると、色々と調整が必要になるね。仕入れは今以上にシビアになるし、そっちに手も回さなきゃいけないな……」

シオネ「まあいいや。そのあたりは後で一緒に詰めよう。 そのときにでも売上予測、切り直さなきゃね。資料の用意はお願い」

人手が足りるのかは、正直かなり不安である。 けれど、試算での利益次第では人を雇うことも視野に入れられるだろう。

オリナ「良かったー。それじゃあ、提携ということでお返事しておきますね。 ええ、資料とかは私に任せて。どの料理を回すか、メニューを考えなきゃですね。 末永くお付き合いが出来るかは、腕の見せ所ですね！」

それはお互い様だ。 その得体の知れぬホテルとやらが、きちんと仕事をしてくれなければ、こちらの旨味も薄いのだ。 ＊　＊　＊

オリナ「さて、次は新メニュー開発の方ですが。シラスと水牛の方、食べることは出来ました？」

シオネ「一応、シラスは踊り食いで、水牛は100%ハンバーグで」

シオネ「なかなか良かった。 シラスと水牛以外は見知った食材だったから、再現もできると思う」

オリナ「お、踊り食いってあれだよね、なまで生きたままチュルチュルっと……。 ど、どうだった？」

シオネ「美味しかったよ。 ただ、やっぱり人によっては抵抗がありそうだった。それに生きたままのシラスを手に入れるのはなかなか難しそうだね」

オリナ「そうですね。水槽とかも必要でしょうし……。 でも、生でイケるし100％でハンバーグが作れるって事は素材が良いってことだよね。素材の良さを活かしていきたいね」

ハンバーグのレシピを頭の中に思い浮かべる。 色々なソースが合いそうだ。自分がアレンジするなら、どんな味が良いだろうか。

シオネ「……けど一番の収穫は……」

昼に食べた料理の味を思い出す。

シオネ「ウチの味は多分ここでも通用するってこと。今から姉さんのレシピを見るのが楽しみだ」

オリナ「シオネちゃんがそう言うのなら、安心だね！これで、自信を持って料理をお出しできます」

オリナ「それじゃあ早速試してみようか……シオネちゃん、お手伝いよろしくね」

調理台へと向かう姉の背中を見る。 レシピを見るのが楽しみ、と言ったのは、本心だ。 既に試作のための食材を仕入れ、準備を始める姉。 初めて出会う相手に、どう戦うのか。 お手並み、拝見である。

	穏やかな海《セルリアン》

穏やかな波、暖かい水温。太陽の光を透かし、キラキラと輝く水中に、
光とともに舞うように鮮やかな熱帯魚達が珊瑚礁に集まる海域。

この世界の窓口である探索者協会からも程近いこの場所は、
色々なところから集まってきたバカンス目的の観光客や、
これから冒険に挑もうとするものたちで賑わっている。

比較的凶暴な生物もいない、穏やかな、冬でも温暖の海である。

遺跡探索

（あなた）は、この世界の探索者としての一歩を踏み出した。
海底に沈む遺跡の探索——。

誰もがこの海の、この遺跡から冒険の一ページを刻み始める。
とはいえこの辺りはまだまだスタートライン。

もっとこの世界に眠る、謎や宝や未知の生物を目にしたいと願うなら、
このセルリアンの遺跡を抜け、さらなる海域を目指すといいだろう。

海はまだまだ遠く、広がっている。

——辺りは穏やかな潮の流れと、ちらほら入る光で暖かい。
まだまだ遺跡は先へ続いている……。

シオネは周辺を探索…………。

ナマコを手に入れた！

シオネはSSシェルボックス(低)を購入した。

シオネはSSシェルボックス(低)を購入した。

シオネはSSシェルボックス(低)を購入した。

シオネはTGシェルボックス(低)を購入した。

シオネはリングを購入した。

シオネは魔力を訓練した。
シオネは敏捷を訓練した。
シオネは魔力を訓練した。
シオネは敏捷を訓練しようとしたが、EXPが足りなかった。
シオネは魔力を訓練しようとしたが、EXPが足りなかった。

シオネはアイテムNo.4 ドルフィンキックを私有化！

シオネはアイテムNo.5 ヒールを私有化！

目的の決定