海底探索協会の入り口で遭った青年は、こちらを不思議な顔で見ていた。 海色の瞳には若干の警戒の色が滲んでいる。私という存在を計りかねているようだった。 それはそうだろう、冒険者や探索者とは縁遠いような、そこいらの町娘と大差ないこの通りの華奢な体躯なのだ。 彼の他にもちらちらと伺う視線も複数あり、場違いなのだろうこの状況がなんとなくおかしくなった。 それは海底探索協会の受付と教官も同じようで、おそらくは他の探索者志願の者たちに同じ内容の指示を与えている状況でも、失望に似た苦笑いめいた雰囲気も感じ取れた。 華奢な娘が連れもなしに一人、物味遊山でやってきたか。そんな視線だった。 それは自覚のあるところではあるし、物味遊山も間違いではないので態度には出さないでおいた。 ただ、「アハト・フンデァート」という者は人魚の男性で登録されているので、そこの訂正に若干の時間を取ったようだった。 軽装に解体用の刀。厳密には刀ではないが。 そんな出で立ちの海女ということになっていても、入会テストに手加減などは特にされず、やや安心した。 安心どころか、全身がざわつくのを抑えるのに大層苦労することになった。 不慣れな水中戦、二回り以上も違う体躯の教官。息はなんとか続くが、苦しさよりも先に立ったのは別の感覚だった。 教官と受付は、人魚だったのだ。 かたや半分人間の女、かたや半分オーク。 ここの人魚は地上にも適応するようで、協会の建物内ではただの人間とオークかと思っていたのだ。 それが海中に入った途端、下半身が魚と貸した。途端漂ってくる、嗅覚を察知できないにもかかわらず漂ってくる、人魚の肉の感覚。 ざわりと全身が歓喜に満ち満ちてくるのが、自分でもよくわかった。 同時に沸き起こるのは、抗いがたい、強い酒に酔ったような、それでいてクリアにすぎる矛盾した感覚。 ぞわぞわと這い上がるような、それは強烈な食欲だった。 人が生きていくために必要な三大欲求のひとつが、猛烈に狂おしいまでに湧き出て、それを表情に浮かび上がらせた。 海中の泡と長い髪のせいで、おそらくは教官たちに気取られずには済んだだろう。気取られていたとしたら、確実にテストなど中止されていたに違いないから。 刀筋を水圧から逃すよう振るい、幾度も教官の巨体をえぐり取ろうとする。だが不慣れな焦りか、それとも一刻も早く食欲を満たしたい為の焦りか、上手いこと動けず、刃は水ばかりを斬る。 完全に本能で体が動いており、只々欲望を満たすことしか頭になかった。ひとかけらの冷静な自分が、ただの海女としての挙動をどうにか取り繕う。 口の中には人魚の肉の風味や肉汁、食感やワタの苦味が記憶となって蘇る。唾液や咆哮が認識しづらい水中であることは僥倖という他なかった。 これが私の目的だった。 探索者としてどうこうなどは当然考えていない（そもそも認可証を拝借しているのだから当然なのだが）。 私は人魚の肉を猛烈に欲し、その本能で長い旅を続けている。 あの日、あの時に人魚の肉を食べて以来、私は刻の淀みに取り残されている。

	穏やかな海《セルリアン》

穏やかな波、暖かい水温。太陽の光を透かし、キラキラと輝く水中に、
光とともに舞うように鮮やかな熱帯魚達が珊瑚礁に集まる海域。

この世界の窓口である探索者協会からも程近いこの場所は、
色々なところから集まってきたバカンス目的の観光客や、
これから冒険に挑もうとするものたちで賑わっている。

比較的凶暴な生物もいない、穏やかな、冬でも温暖の海である。

遺跡探索

（あなた）は、この世界の探索者としての一歩を踏み出した。
海底に沈む遺跡の探索——。

誰もがこの海の、この遺跡から冒険の一ページを刻み始める。
とはいえこの辺りはまだまだスタートライン。

もっとこの世界に眠る、謎や宝や未知の生物を目にしたいと願うなら、
このセルリアンの遺跡を抜け、さらなる海域を目指すといいだろう。

海はまだまだ遠く、広がっている。

——辺りは穏やかな潮の流れと、ちらほら入る光で暖かい。
まだまだ遺跡は先へ続いている……。

アハトは周辺を探索…………。

焼き魚を手に入れた！

アハトはSSシェルボックス(低)を購入した。

アハトはSSシェルボックス(低)を購入した。

アハトはSSシェルボックス(低)を購入した。

アハトはTGシェルボックス(低)を購入した。

アハトはTGシェルボックス(低)を購入した。

アハトは器用を訓練した。
アハトは器用を訓練した。
アハトは器用を訓練した。

アハトはアイテムNo.3 ウォークライを私有化！

アハトはアイテムNo.4 ダブルアタックを私有化！

アハトはアイテムNo.7 ブレスを私有化！

目的の決定