【○月×日　海気・あれてなし】 　いちおうご主人にキロクでもしておけ、っていわれたので、しておきます。 　センコー日記だそうです。ご主人はマメです。じぶんの思い出はその日ぐらしです。 　じぶんはご主人に作られてすぐに消されそうになりましたが、なんだかんだで消されてません。 　消せないんだそうです。でも、海の知しきとおよげると話せるはあるので、お役に立てるとおもいます。っていったら、食べものとってこいって、さっそくめいれいされました。 　魚がいいとおもいます。とってもいいです。 　ご主人は、ナントカカントカに話をつけてくるから、って、どっか行きました。 　そのあいだに日記をかいて、魚をとってきます。 　ご主人は、よろこぶと思います。 　じぶんは魚が大好きなので、よろこぶと思います。 　お役に立てるのが、今のじぶんにいちばんです。 　おわり。 　＊ 　少年——と見られそうだが男——は、噂の蔓延るかの世界に踏み込んだ。 　単身、しかも砂地を中心とした陸地の知識しかない。元々群れるのは性に合わず、その場その場で協定を結んでは盗みを働き、また裏切り裏切られ今に至る。 　男にとって海といえば、端から眺めるのが精々であった。今回は偶然、世界を渡りめぐるにあたって、無視できない情報が飛び込んできたのだ。 　未開海域、《テリメイン》。 　満載の曰く付きであるその海底に、眉唾であるが興奮してしまうのも仕方あるまい。 　これも賊の、ひいては物欲の青天井たる男のさが故。 　砂漠出身の彼にとっては何一つ、ではないものの未知の領域だが、そこは四の五のも言わず。得意とする媒体を使った魔術を元手に、海の使役魔を作製したまでは良かったものの。 　——いかなることか、戦闘力のせの字もない海鳥が出来た。 　慣れない海に合わせた為の失態と決めればそれまでだ。その使役魔は海に関わる知恵や技術、会話が不可能な水棲生物との意思疎通も出来るという。というか、なくては困るしそのように作った心算だ。しかし戦えなければ男も困る。 　男自身が同腹のような馬鹿力は持ってはいない。そも上二人が魔術師の家系のくせ規格外なのだが、それは別の話にしておこう。技巧に長けた彼は、魔術で実質的な遠隔武器を作ることを得意とする。魔術で攻撃するのではなく、“魔力で造り出した使役魔が攻撃する”。やや手遠だがそういう事実になる。 　どのような場面でもその土地柄にあった使役魔を作り出せば、大体はどうにかなってきたが、今回はどうしたものか。タダでは転ばず、翌日にはすぐに別の知識を取り入れて力とした。神話生物たる《海の妖女（ビント・ル・バハル）》を模ったもの。 　もちろん生身の人間が海で活動するなど、ラクダに乗らず水を持たずに砂漠を彷徨くも同然だ。 　見合った服装と酸素がなければ、活動はできない。その為の下準備も模索していた。 　——曰く。 　《海底探索協会》に入らねば探索は難しいと地元民は言う。 　訊くに、この海底の活動における手伝いをしているようだ。 　渋々名義だけでも、と立ち入れば試験があると受付は言う。 　実力はあると口で言うのは簡単だ。ゆめに海底でなければ。 　肚裏の読めない女に、嫌に髪だけは整った豚もどき。何者かを想起させ、苛立つ始末。こんな連中と顔を合わせるのは死んでも御免である、と言いたいが。 　《財宝》のためと思えば、我慢もするのが欲望を叶える足掛かり。何事にも忍耐力は付き物だ。警戒を怠らず、つぶさに粘り強く標的や障害を見据えるのは生き残る上で重要と男は既に理解している。 　こんな醜悪で肥えた臭そうな海豚（うみのぶた）と一戦交えるのも、その我慢の一つだと自分に言い聞かせていた。

《海底探索協会》

《海底探索協会》

ニスルは周辺を探索…………。

今回はアイテムを見つけることができなかった！

ニスルはシュートを購入した。

ニスルはクロールを購入した。

ニスルはビート板を購入した。

ニスルは敏捷を訓練した。
ニスルは敏捷を訓練した。
ニスルは敏捷を訓練した。
ニスルは器用を訓練しようとしたが、EXPが足りなかった。
ニスルは器用を訓練しようとしたが、EXPが足りなかった。

ニスルはアイテムNo.3 シュートを私有化！

ニスルはアイテムNo.4 クロールを私有化！

目的の決定