……良い子のわたし。
褒められることが嬉しかったわたし。
いつだって、認められたかった、わたし……。

父に、母に、認められたかった。
優しい父と、寂しそうな母は、二人で一つだった。
その間にわたしはいて、父はわたしを見てくれたけど、母は……

わたしはいつだって笑顔で、寂しかったのだ。
わたしという人間が、こんなにも「優等生」でいたことに、苦笑する。
そう感じたことがあったかどうか、わからないけれど、今思えば窮屈だったろう。

弟の存在は、わたしにとってそういう意味で唯一無二のものだった。
……弟がいればわたしは「姉」でいられる。
単純に可愛かったのもあるが、わたしの居場所ができたような、気がした。

甦る景色。客観的に心のうちを眺めながら、当時の感情が心をゆらゆらと騒がせる。

母の、肌のこと。
わたしの、出生のこと。
わたしは……

（彼女の記憶の欠片は現在「454」＋50＋ 2D25 = 9 ( 4 5 ) ）