次々と頭の中に浮かぶ顔。

幼い頃に自分を可愛がってくれた、年の離れた兄のような……
叔父が、二人いる。

長い三つ編みを引っ張って困らせたこともあった。
そんなことをしながらもいつも微笑んで抱き上げてくれた、叔父。
いつしか遠いどこかへと旅立っていって、すごく寂しい思いをした。

それからもう一人は……

記憶の中の父とよく似た顔。
自分の叔父だというには随分と若い。
兄だっただろうか。いや、兄がいたような記憶はない。
記憶の中の叔父の姿とほとんど変わらない、フェル。
アンジニティで出会って、親切にしてくれた彼は、ほんとうに自分の叔父だろうか。
親切にしてくれた。
彼の傍はとても落ち着いていた。
叔父に似ていたから……？
それとも本人……？
大して話をする間もなく、離れ離れになってしまった。
今は、どうしているかわからない。


それから、自分には少し年齢の離れた弟がいる。
少し後ろをついてくる弟が可愛くて可愛くて仕方なかった。
それこそ目の中に入れても痛くないくらいの可愛がり方をしていた。
それなのに、小さな頃のことはよく思い出せるのに、彼が大きくなってからが思い出せない。
ひょっとして、あまり会っていなかったのだろうか。
わたしは、一体どうやって過ごしていたのだろう。



（彼女の記憶の欠片は現在「428」＋5＋ 1D5 = 2 ( 2 ) ）