色々あって、同行者の皆さんとお別れする事にした。
ボクはこれから一旦故郷へ顔を出してから帰国する積りだ。
両親は相変わらずだろうけど、弟妹達のことはやっぱり心残りだったりする。



感情フィルタ抜きで自分の未熟さを素直に認めるのはまだむずかしい。
でも、初めて見た時は化け物だとしか思えなかった先輩方に少しは近づけたとは思う。
修練を重ねていけばいつか彼らに並ぶ実力を得る可能性もまだまだある。

ボクの敬愛する主に。
それから上司、同僚達のいるこの国に。
真に貢献できるような自分になりたい。

そのために、今は帰って修練に励もう。



ところで、さっきから右腕がぴくぴくする。
たぶん美少女シェイド姉妹との契約が帰国後も続くからだと思う。

デビルとその妹も連れて帰るつもりだが、ここで知り合った冒険者のお嬢さんが連れているエンブリオとデビルの妹が随分仲良くなっていて、離れたくなさそうだった。
保護者にデビルを同行させれば問題ないだろうし、契約はどうあれいつかは帰ってくるだろうから、判断は任せることにした。

ドール（現スパンキー）はついてくると言うか、離れる気がないらしい。
世話役のメイドがホラー耐性ないけど、こんな可愛い子ならすぐ慣れてくれる、と思いたい。
人形とかは好きらしいし。

一旦契約を解除する者、引き続き契約して士官国までついてくる者、それぞれに挨拶をした。


同行者皆さんのその後の幸いを心から願う。

背負った薙刀を引き出し、構える。