石の入った小瓶を手にシアは目を輝かせる。
そして、小瓶を傾けてみたり軽く振ってみたりしている。

その言葉の通り、小瓶の中の石は何かに固定されたように小瓶の中心に止まっている。
よく見るとわずかに揺れているようにも見えるが、小瓶を振っていることもあり定かではない。

僕はそう呟きながら小瓶と一緒に入っていた紙を手に取り、折りたたまれたそれを開いていく。
中は丸が線で繋がれた絵が描かれており、所々に文字が書かれていた。

小瓶の石に満足したのかシアが僕の手元を覗きこみながらそう言う。
確かに言われてみれば地図のように見える。
ただ、位置や距離は参考にならないくらい抽象化されており、どこがどこなのか、また今いる所がこの地図のどこかさえが分からない。