——。


————Pi。


Pi……Pi……PiPi〜〜……PiPi。


——Pi。Pi。Pi…


二歩歩進み、一歩戻り。

三歩迂回し、二歩戻り。

そして一歩進み。


私は今綻びの中を解析しながら歩み進めていた。

まるで迷路、いや紋様の様に張り巡らされた複雑なデータ列。
そして破損により歪になっている個所には修正を必要とした。

正体が不明であるが故、最大級の注意を払い続けなければならない。


——PiPi。…………Pi。。Pi。


Pi。Pi……Pi。Pi…


ふと、私は考える。
いや……考えているという事について疑問を覚えていた。

私は『システム』である。
対話の為に疑似人格は与えられており、またシステムとしての判断機構は有している。

しかし思考する機構は有していただろうか。
いや、そのようなものは存在しないはずだ。

それならば今私の中にある『それ』は一体何だというのだろうか。



思考、疑念は時間を追うごとに深くなり、大きくなり……


「こっちへおいでよ」

「そうそう、こっちこっち」


……いつしか私はどこからか聞こえてくる声に導かれて進んでいた。

巡る思考を置き去りにして、漂う疑念を置き去りにして……



進んだその先には光が満ちていた——




・〜・〜・〜・〜

激しい気配、その正体は戦闘そのものであった。
金属が激しくぶつかる音、破壊を生む音、炸裂音、それら全てが戦いの苛烈さを示している。

音の響き方を考えるとまだまだ距離があるものの、下手に近付くと巻き込まれかねない。

僕達はそう判断し、迂回する為の距離をさらに大きく取る。
僕達はその戦いの結果を知る必要はない。

プリマ は以下を装備！
【自由】 ゆっくりえねりwith異国の紋様（ 装飾 / 87 / 活力1 / 治癒1 / - ）