立ちはだかるクローンエンブリオ達を突破し、

展開されるシールドを突破し、

出し逃げの様に追加されたクローンエンブリオの群れを討伐した。



ここまで来るのにどれくらい時間がかかったのだろうか。
次から次へを新たな手段で僕達と対峙してきたフォルシュであるが、長時間の戦いの末ようやく彼を追い詰める事ができた。

更なる奥の手への警戒を続ける僕達。
少しの間にらみ合いが続いた後、ついに限界が来たのかフォルシュは少し呟き、そして気を失った。
僕達の勝利だ。


僕達は互いの無事を確認し、一息付く。
そして、しばらく辺りを見回していると、見慣れない機械が起動しているのを見つけた。
何だろうと見ていると、同行者の人がそれは転送装置だと言う。
先程のフォルシュの呟きを考えるとその先は恐らく城の中だろう。

相談の結果、今日はひとまずここまでにしようという事で決定した。
今後もこの場所から先に進めるようにフォルシュは縛って研究棟から連れ出しておく。


こうして協力体制で臨んだ研究棟探索は一区切りついた。




〜・〜・〜・〜・〜・




次の日、僕達はお城の中を進んでいる。
ただし昨日発見した転送装置ではなく正面突破だ。
一揆も大分進行しており、この辺りは一揆側に優勢な場となっていた。

寄り道をした理由は主に二つ。
一つは先々への準備。突出した進行は仲間の支援を受けにくく、相応の準備が必要となる。
もう一つは少し思考する時間がほしかったから。原因はフォルシュの最後の呟きだ。

彼はあの研究棟でクローン——エンブリオを複製する為の研究を進め、一定の成果を成していた。
その彼がクローンエンブリオの種を王に送ったような事を言った。
そして彼はクローンエンブリオが王の存在維持を目的として創られたとも言っていた。

兵隊戦力としてクローンエンブリオを欲していた？
直感はその考えを否定していた、むしろこの場合だと——


ズゥン・・・　　　ズゥン・・・・・


思考を中断させるように辺りに地響きが鳴り響く。
音の方に目を向けるとそこには少女と動く大理石の像、いや様子を見ていると彼には生があり人格もあるようだ。
二人はいくつか言い合った後こちらに向き直り、敵対を示すように叫ぶ。
……戦いは避けられない。彼らの様子から何となくそう感じた。


そして僕達は戦闘態勢を取る——