…今度は全然怪我してないみたいですね。何よりです。
行き詰っただけなら、また手立てを整えて出直せばいいですしね！

で、これからご案内する先なのですが………

その服装だと流石に冷えると思いますので…

男物で面目無いですが、その外套羽織ってください。
見た目と違ってとびきり軽くしてあるので邪魔にはならないハズです。

ああ、赤い小鳥！もしも、気持ちが通じているのならば…
どうか、出てきておくれ！そして、あの人にこれを

おっと、脅かすなよ！聞こえてしまうじゃないか！

おっ、そうか。意外と話の分かるやつじゃないか。
では…あの鳥の代わりにこれを彼女に渡してくれ。くれぐれも開けるんじゃないぞ。

ガーネットの瞳のお姫様へ

あなたとこうやってお話をするのはもう何度目になりますかしらね。
初めて会ったその日から、その輝く瞳、二本のまっすぐな角、
ずっと、忘れることはありませんでした。
たまには自らを閉じ込める塔から出てきたらいかがですか。
この場合の塔というのは実際ではなく、ものの喩えとなります。

それにしてもようやく、お会いしたがらない理由を話してくれましたね。
あなたがずっとそんな様子ですから、
何か大きな病でも抱えているのではないかと心配になります。
ミステリアスな姫君も素敵。でも、もう少し自らのことを話してほしいです。
そうすれば、もっと僕はあなたのことをもっともっと好きになるかと思います。
まあ、まだまだ、僕みたいな未熟な男では
あなたの好みにも引っかかることは難しいでしょうけど。
だから、時間をかけましょう。時こそが僕たちを導いてくれる。
そんなことしか言えません。

兎にも角にも、心配で心配で眠れなくなるではありませんか。
今もそうですけど、これから先も永遠にです。
魔物を倒す仕事に出かけても、仲間とともに話をしても、
遠く遠く続く昼の空を見ていても、
あなたのことばかりを考えてしまいます。
仲間にはしっかりしろと怒られてしまいます。
そして、夜に浮かぶ星にあなたの姿を重ねます。
今頃何処で何をしているかを。
ちゃんとご飯を食べているか。ひどい目に遭っていないか。
他の男にしつこく言い寄られていないか。
あなたの美しい声をまた聞かせてほしい。
歌っているところを見てみたい。いや、歌が聞きたい。
早くあなたのものになりたい。
毎日赤い瞳を見続けていたい。
あなたの言うことを何でも聞きたい。
いつまでこうして通い続けていれば、一緒になれるのですか。
言葉を交わし、笑みを浮かべ、手を取り合い、熱い口づけを、そして…
あなたの一生を飾る宝石の一つにでもなれたら、僕はどんなに幸せなことでしょう。

ああ、あまり長くなってはいけませんね。その他のことは直接あってお話ししたいです。
では、お姫様。今からあなたのもとへ参ります。
たとえ、冬の寒さと雪に閉ざされた山の中でも平気。炎のように熱い愛があるから。
たとえ、どんな美しい男や甘い言葉、価値ある財産が他にあろうとも平気。
長く続く気持ちさえあればいい。

追伸
　　　　　「先見の塔」というところでお待ちしています。
　　　　　直接会ってお話がしたいのです。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　エメリー＝ロイド　

（首を120度後ろに回し）ま、まあ最近は自分のほうも余裕できてきましたから…

それに、他にふさわしい人といっても…その判断は自分がするものですから。

今この時に、燈子さんより優先すべき人なんていませんよ。

というわけで、こちらこそ一緒にいていただけるようお願いしたいです。

ああ、負担なんて心配はいりません。
手が足りないときは助け合う、恵みが多ければ分かち合う、困難には手を取り合って立ち向かう。
これ、自分を助けてくれた村の人たちのモットーです。

彼らの村ひとつ背負わせてもらってここに来た自分が、
弱った女の子一人背負えない道理は無いですよ。

…そういえば、最近…いい人に出会いました？
心なしか、気分が楽になられたように見受けたのですが…

…………、

考えが、まとまらない……
わたし、は……

懲りないな、馬の背後に人の背後。
四足で崖下りも得意なら、懸崖においても手心は不要か。

燈子さんも崖には気をつけて…といっても落ちるよりも早く助けますが。

……こんな、堂々巡り……

そうか…お前崖苦手なのか…いいよ、もう行きなって…

さて、先に行きましょうか。

……先へ。
後ろを振り返ることなんて、できない……

……何、かしら……

今日はこの辺りで切り上げましょう。
慣れない山道では決して焦ってはいけません…

自分はこれからちょっと遠出してきます…またすぐ会いに着ますが！
どうか、背後にお気をつけて。

ありがとうな、よろしく頼むぜ。

マッサージ1時間50PSです

やらしい気持ちはありません

さて、どうなったか…。

リンはここにいるのですっ

ここなのですっ