−◇−



　アタシは、榊さんから貰った古代遺跡の宝物を再度起動させた。
　球体が、淡い光を放つ。

「想い描くのさね……もうひとりのアタシを」

　光の奔流が渦を巻く。
　もう目も開けていられない。
　その中で、アタシは一心にひとりの人物を強く想った。
　全ての魔を滅するまで闘い続ける、不老の巫女を。

　次の瞬間、球体を中心に光が爆発した。



「……何が起きた？」

　事態を飲み込めずにいる少女に、アタシは駆け寄った。

「こんのスットコドッコイィィィッ！！」
「舐めるな」

　抱擁の代わりに見舞おうとした飛び蹴りを軽くかわした少女は、返す刀でアタシを迎撃する。

「おー、見事な昇竜拳」

　感心するテルちゃんを視界の端に収めながら、アタシは天高く打ち上げられた──