初夢を見た。
といっても、平時に見るときと変わらないノリの、普通の夢だ。
メルンテーゼに来る前の、去年くらいのとある日常。
いかにも「夢とは寝ている間に脳が記憶を整頓しているもの」感があった。
夢に出ていた人は元の世界に帰っても会うことはないから、
その世界にいた頃の気分を思い出させる程度にしか影響はない。
それは結構ありがたいことなのだが。
初夢ならもっとそれらしいスペシャルな夢が見たかったな。
一富士二鷹三茄子、だっけ。

スマホの電池が切れているのが地味にありがたかった。



ところで初夢と言ったはいいが。
メルンテーゼに来てから20日くらい経ってるだけだ。
だから、初夢を見た、という表現は使っていいのだろうか。
……まぁいいか。誰かお年玉ください。
あと前回謎の料理？が届いたんだけどどうすんだよこれ。

そしてシェリーが新年仕様になっているとシズカが言っていた。
相変わらず姿を見せてくれないので、見ることが叶わないまま信念が終えるかもしれない。
誰を訴訟すればいいのだろうか。

目を閉じ、呼吸を調えて神経を集中させる。
早口に異国の歌のような言葉を唱え始め。

ふわ、と風が彼女の周りにまとわりついた。
大鍋が魔女の前に立った。