謎の透明な一団へ干渉しようとしたエルに、逆に干渉してきた不思議な存在。エルは彼女のことをとりあえず妖精と呼ぶことにした。質問したいことは山ほどある。透明化した一団がなぜミズリィと同じ顔なのか。

「妖精さん、その荷物、どこで手に入れたんだい、何をするつもりなんだい」

「あちきは忙しいから質問はそれで打ち切るでち。まず、この荷物は超空間によって転送される情報の塊でち。あちきはそれを超空間を通じて輸送する役目を持っているでち。だから、この荷物がどこから来たか、どこへ行くのかなんてわからないでち。それじゃ！」
　次の瞬間、透明な一団の姿は急に消えてしまった。移動したのだろうか、それ以降妖精の不快な声は聞こえなくなった。もう過ぎ去ってしまったのだろう。残念だが、ミズリィに似た”情報”は、どこかへと運ばれていってしまったようだ。

　亜空間なのでどうしようもないし、追跡することもできない。そのときは何もできなかった。結局その後奥にいた王国軍と戦い、僕たちは調理場を後にした。

　しかし、”情報”がどこへ運ばれたか……知ることができたのは、そのすぐのことであった。