学校に入ってから至急された刀は随分と年季が入り所々汚れてはいたがまだまだ現役だった。
今使っている槌は札で刀を槌に変えたものだ。
札を使い分ければ刃を熱する事もできる。
今日は早く起きて抜刀の練習をした。
近いうちに刀を使うかもしれない。
勘を取り戻さなければ。



「聞くのだ。アマツクニ。明日からパーティーメンバーが二人増えるんだぞ！」

練習を終え朝食を取りに来るなり眠たげなKauzにちょっかいをかけていたナナは身軽な動作で駆け寄ってくる。
結構な勢いだった筈だが足を止めるのはカートゥーンアニメのように唐突でそのまま背を伸ばし顔を覗きこんでくる。
話を整理するとこうらしい。
また元の２組での探索になるが今回のブランチマンでの縁があり行動を共にすると。
ナナがここまで喜ぶのは知り合いだったらしい。
ねこっぱちというくそかわですぐ契約をとろうとするマスコットキャラ
それと九という少女らしい。

「ねこっぱちが九という子は料理が美味いと聞いたのだ。
　どんな料理を作るのかなあ〜？あっ知らないレシピとかあったら聞いてみよう。」

これから交流するであろう少女とどう交流するかを楽しげに話しながらナナは元居た席に戻っていった。

「……。」

人が多くなるととてもやりづらい。
早めに決着をつけなければ。

撫で甲斐があるよ！と満足顔だ。

処分されるんだ、とは流石に口に出さずに。

ナナもおいでよね！と誘う。

真っ赤になって首と手をぶんぶんと。

続くナナの大事な人の話には不思議そうに首を傾げる。

ばっさり斬った後に少し心配げな顔になり。

肩ぽんされて言い返すものの多分手遅れ。

呼ばれて嫌な顔してる天津国に、こんがらがったままで牙をむき出してうーっと唸り。
なにやら札を取り出した様子に不安の混じった顔で凝視する。

＊
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所変わって。ハロウィンパーティも終わり、そろそろ冬の到来が本格的になって来たある日の午後。
どこかで見たような獣耳と獣しっぽを生やした14歳くらいの少年が大きく手を振って声を掛けてくる。

もしもすぐには判別できなくてとまどっていたなら、にっこり微笑んで少年は説明しただろう。

もしも天津国も傍にいたなら作り笑顔でそう付け加えただろう。

前に見せに来るって約束したしと言うと、鮎を何匹か纏めて縛ったものを渡そうと。

（※今回から成長後の容姿になります。身長は150㎝くらいから160㎝弱程度に。
これまでの会話はそのまま続けても切り上げてもどちらでも！）