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意識の無い主を抱いたエンブリオが、人の気配にびくりと振り返る。

殺意に、後退る。

偶然だろうか。その手元から、一枚のコインがこぼれ落ちた。
コインは一度、主の体の上を転がるが、そのまま地面に落ちる。


　　　　——　　Ⅰ.太陽　＜裏＞　

黄昏色の巨大な十三の瞳が、ゆっくりと瞼を開く。
かつての黄金郷、カダイエの守護者 エンブリオ・マァムブが、目覚める。
周囲が黄昏に染まる。
輝きに満ちる。
黄金の、時間。


——　マァムブの覚醒が契約者に変転をもたらす！


陽光のように輝く光が、エンブリオではなく、その主の体を包む。
夜色の髪は黄金に、夜色の衣は黄金に。
しかし、その双眸は塞がれて。

長い間意識が戻らないはずの男は、確かにその足で立ち、その腕で斧を持つ。
しかし、エンブリオの声に反応する様子は無い。
ただ、殺意に向けて、ゆっくりと武器を構える。

エンブリオは悟る。これもマァムブのもたらした変転だと。
だが、しかし、そうであるのならば。そうでなかったとしても。

守らなければならない。今度こそは。

エンブリオは一歩、前に踏み出した。

　　　△　　土　▲
　　（　㊤　皿　㊤）　　がしゃーん
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　／│　　塊　　│＼　　　　　　　　　がしゃーん
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