忘れていた。

あの頃の私を、忘れていた。

この身を山に捧げられてから、もう何もかも失ってから、私は前へ進むことをあきらめていた。

この火、この体、まだ私には先がある。

私は自分で縛っていた。あの頃の自分を取り戻したいがために。

ああ、何百年かかったのだろう。

それを、あの子が教えてくれた。

まだ遅くないかしら。今から、歩み始めても。

黒き炎が、あの人が、微笑んでくれる。

……うん。今から歩いてみますわ。

私はそのために今、『ここにいる。』

私の炎は、先を照らすため。

少々、手段は野蛮ですが、と黒き炎に笑う。

妖（あやかし）に、止まることは、できないんだ。

・・・つながりを戻す為、あの子にお願いしようかしら。

ずっと、持っていた、これを。

手を差し出して握手を求める。

視線を逸らそうとされても、こちらからは見つめつづける

結局、行き着く興味はそこでした。

驚いてるロズ

的外れな質問。

その後も何か言おうとしたようだが、さすがに当本人を見つけて呼び止めておいて自分たちで説教喋るのもなんだろうと思ったのだろうか、

それだけを付け加えた。

今更聞いても無駄だと思うのだが、確認の為か聞いて来た。