ビスさん、お待たせしてごめんなさい！
調理場へ行っていたのですっかり遅くなりました！！

前菜はトマト、フキノトウ、レタス、鶏肉を使ったシーザーサラダとタラの芽を使ったミニキッシュです。
スープは菜の花のポタージュです。

メインはウドと牛肉の甘辛炒め(醤油味)とロールキャベツ、ご飯は具沢山の筍の炊き込みご飯です。
本当は筍ご飯はシンプルに筍だけがいいのですが、私が具沢山のほうが好きなので鶏肉や油揚げや蒟蒻や人参など入れてみました。

どうぞ召し上がれ！

ほう！　蹴鞠で遊ぶ子供とな。それは面白い妖に出会ったのう。
蹴鞠は貴人の遊びじゃからな、外界ではなかなか見かけぬもの。もしかしたら、それは狐だったかも知れぬぞえ？
化けるを覚えた仔狐たちは、京遊びを真似したがるものじゃからの。
ふふ。ビスは昔から、狐が惹かれる質だったのかも知れん。

やんちゃとはまた、正反対な性格を選ぶではないか。
しかし、そういう輩に敬意を覚えさせるのは大変ではないかのう？
ただ、敬意を知りながら躍動的に動く者は、英雄か何かになれそうに思うな。

はは、儂としては、ビスにこそ敬意を抱いてもらわねば困る。
むしろ、そなたが侮られる方が憤慨してしまいそうじゃ。無礼者、とな！
嬉しい言葉を貰ったが、儂らが侮られるのは構わんよ。妖怪じゃからな、敬意より不気味を抱かれる方が楽しい。

ほうほう、魔導書とはそういうものかや。
なるほど、１人の魔法使いが生きてきた軌跡を書物に書き留めるのじゃな。
術者の生き様を知ることで、呪法の使い方を正しく理解できる。という感じじゃろうか。

あまり詳しくはないが、頭のいい大魔導師は書物に罠をかけていると聞く。
安易に読めば呪われるだとか、普通の文章の中に重大な魔法を忍び込ませているとかな。
ビスはそういう、後世に名を轟かす壮大な魔導書を造らぬのかや？

ふふ。ま、書物に頼らずとも儂が、儂の根源が生き続ける限りは大丈夫じゃ。
ビスという者が如何に面白く、楽しく、また、心安らげる者であったかを伝えてみせよう。
こういう場合は、語り部、というんじゃったかな。書物とはまた違う、そなたの人生の語り部じゃな。

呵々。なに、世は広い。儂以上の者などごまんと居るさ。
問題は、広すぎて見つけるのが大変ということか。
ま、一度好きになってしまったら、儂などあっさり霞んで見えてこようがの！

ん、儂より上、か。……改めて問われると難しいな。
実力、容姿、性格、どれも儂より上の者は珍しくない。性格はむしろ、儂が最悪すぎるか？

……そうさの。見栄っ張りでもいい、周囲に溶け込めずともよい。
ただ、常に顔をあげておるような者がいいな。心で泣いても顔は笑うような、そういう強さがある者がいい。

ビスは十分に味わい深い人格をしておると思うぞえ。
儂の方が羨むぐらいじゃ。短き命でありながら、１日１日に輝きを見いだす心の豊かさは、尊敬に値する。
いつまでも変わらぬそなたであってほしい、そう思う。

もっとも今は寿命も伸びたのじゃったか。寿命にあぐらをかくと、怠惰になるから注意するのじゃぞ。

ん…………あぁ ほんとに来たんだ？

やまのぼりも……だんだん……なれ、てきまし……たわ……

おい虫の息じゃないか貴様

今日の獲物はこいつらか？

アドニシア、教えたとおりに

戦闘、開始します

いきます。

…………。

…………。おい誰かこの女を引きずっていってくれ、あと私を運んでくれ

…もう、いいだろう。　これ以上は無益だ

ネクターを渡してください

ふう。

先に進みましょうか。ぼうっとしておても仕方ありませんし

行きましょう。

あら。なにかありますわね？

ん？