……何だかこの一週間は長かった気がする。
やけに顔の濃い林檎がタックルしてきたり、やけに煩い空き缶に近寄られたり。
……ろくな事がない。

最近は視る時間もないが、果たしてこの方向でいいのか。
暫くしたら、確認する必要がある。
間違った方向に進めば、何もかもを壊しかねない。



(小さくページの隅に そんなにずれているだろうか と書いてある)

　

　あなたの手を見ると、驚いたように震える。

アンナがぶつぶつつぶやいている。

しかしその時だった！

突然目の前をジャンクフェアリーが高速で横切った！！

その直後にジャンクシルフも横切った！

それがあってか、アンナの催眠は解けてしまった！

　八鷹の顔をマジマジとみた青年は気付く。
　彼は先日自分たちを襲った人狩り連中の一人ではなかったか。

　包帯を巻かれた右手に、流石に痛々しそうな表情である。
　怪我人を前に多少は気遣うような色が視線には窺える。
　女物の服云々には苦い表情でため息こぼし、

　わざわざ説明するのも面倒だと判断したのか。
　こほん、と咳払いをすれば気を取り直し問うた。

ヤタの指摘を受けて、ファイは足元を見る。

ファイはかがみこんで、足に刺さっている破片を無造作に抜き取った。