一揆に参加し始め日中はエトナデーガルで、夜間はエトナデーガルに帰還し就寝するという生活をしている。
学生という身もあってか長期休暇を利用しているが期間は限られているし、
何より実際に参加してみた感想として日に日に身の危険を感じる事も増えてきた。
野生のエンブリオはオルシノールのように友好的なものばかりでなく攻撃を仕掛けてくるものもいる。
また、王城への侵略にあたる行為な為、当然現地住民とも闘うことになる。
これまでにも数名遭遇し、現状難を逃れているが今後手強い相手に遭遇する事も考えられる。

オルシノールの意向はともかくとして、一揆での勝利自体を目的とはしていないが
本来の目的であるエンブリオを探す事もままならないのではないと不安に思った。

そのため俺は協力者を探すことにした。
幸いと言っていいのかもしれない。
偶然目にした広告記事を頼りにとある警備会社に依頼を出した。
その警備会社の派遣員より連絡が入ったのだ。

エトナデーガルとメルンテーゼのように彼らもまた次元を超えた世界からの来訪者になるのだろう。
オルシノールの力を借りている俺に対し、
彼らの国は世界間を越えての次元移動の技術に長けているらしい。
そして、詳しくは分からないが世界間移動を生業として生計を立てているらしい。
まぁ、そう何度も関わりのある国ではないので、気にするほどのことはないだろう。
話すことがなくなれば聞いてみるのもいいのかもしれない。




　












———エトナデーガル国内

　

ふぁさりと尾をひとふりし、耳をぱたぱたと動かしてみせ。

そしてじっと様子を伺っているぽっぽに鼻を近づけ。

くすくすと可笑しそうに笑い。

意味がわかっているのか、わかっていないのか。
爽やかな笑顔でそう言い。

　ぽっぽが羽音を立てながら動きまわる
　何かを見つけたようだ