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一揆参戦 7日目! - Diary |
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風は遮られた。 生きていれば障害に遭遇することは珍しいことではない。そしてそれに阻まれて挫折することも同じように珍しくもない。特に探索者や冒険家といった職業で生活している者にとってはなおさらだ。そして、その中で何割かの運の悪い者たちは命を落とす羽目になる。もちろん、運の良い何割かが命を落とさずに済むのかも知れないが。 アイヴォリーもそういった連中の例に漏れず、何度も障害に阻まれてきた。彼のように長い間探索者であればそう珍しいことではないのだ。時には強力な敵に遭遇して命からがら逃げだし、時には必要なものを持っていなかったために道があるにもかかわらず進むことが出来ず。メイリーと二人で旅するようになってからも、時には島の獣に、時には人を狩る賊に、度々辛酸を舐めさせられてきた。中でも、あの島の力の源であった宝玉を守る連中、守護者たちには手を焼かされたものだった。彼らは島の力に囚われ、もしくは自らをそれに委ね、そこに縛り付けられた者たちだ。アイヴォリーはそうした者たちを単に“障害”と呼んでいた。やってきた探索者たちをふるいにかけるようにして、その時に応じた調整を施されて力を試す。そして力が足りない者たちを追い返す。それはいわば宝玉を得るために準備された試練とでもいうべきものだった。 今回の彼の初めての挫折は、目の前にいる大柄な男から与えられた。元騎士団長と名乗る男。なぜ騎士団長が現在庭師になっているのかはアイヴォリーたちには知る由もないが、彼がいうことが真実なのであればそういうことらしかった。数日前に立ちふさがった兵士たちが名を口走ったことからして、騎士団長だったというのも嘘ではないのかも知れない。何にしても、庭をうろつく少女を従えたその男はアイヴォリーたちの行く手を阻んだ。 「……ッカアアァァァッ!!」 やたらに暑苦しい気を吐きながらブランチマンが迫る。気を溜めることで強化された肉体はそれ自体が質量を用いた武器になっていた。この城を訪れたときにラルフが見せたタックルとは、見た目も本質も別物だった。 「……ッ!」 短く舌打ちしてアイヴォリーが横に飛ぶ。彼にしては珍しく、苦渋に満ちた表情で。既に分かっているのだ。今の自分ではこの一撃が避けられないということが。 速度の乗った岩のような身体が、風を巻き込みながらアイヴォリーの脇をすり抜ける。身体は反応したものの、相手の速度に着いては行けていなかった。咄嗟に飛んだものの逃げ切れなかった膝から下を、その強化された質量が跳ね飛ばす。巻き込まれるようにして弾き飛ばされ、アイヴォリーは置かれた庭石に叩きつけられた。 受け身さえ満足に取れていない。要するに身体が慣れていないのだ。別の庭石にぶつかって止まった相手の姿を眺めながら、アイヴォリーはふっと息を吐いた。十分に力を発揮出来るときならば、それでも立ち上がれただろう。だが、今のアイヴォリーは鈍り過ぎていた。 + + + 実際のところ、どうやってその場から離れたのかも覚えていなかった。鼠のように壁に叩きつけられてぼろぼろにされた身体であの場所から逃げ出した手段さえ思い出せない。気づけばアイヴォリーは静かな庭園の、庭木に囲まれた迷路の中にいた。恐らくは周囲から視線を遮るこの中を身体が安全だと判断したのだろう。綺麗に剪定された庭木の壁の中で、アイヴォリーは無様に倒れている自分を発見した。 「クソッタレ……。」 呻いて身体を起こす。予想外だったのは確かだ。これだけの相手が早速障害として現れるとは思っていなかったのだ。無論今の自分では相手の攻撃を避ける手段がないことは分かっていた。それだけに、ああいった力押しの手合いには不利なことも分かっていた。要するに、油断していたのだ。それでなくても、これまでのように大人数で助け合いながら探索を進める方法ではなく、メイリーとたった二人での探索だというのに。 そこでアイヴォリーは辺りを見回した。二人で始めた戦闘だったはずが、終わってみれば自分一人しかいないということにようやく気が付いた。自分は前衛で先に攻撃を引き受け、その後ろから彼女が攻撃する。だが、それは逆を返せばアイヴォリーの方が先に倒れるということでもある。意識を手放す直前、一人も減っていない敵に対してまだ詠唱を続けていたメイリーの姿が目に入ったその光景を思い出す。それだけで、半ば放心したままだったアイヴォリーは覚醒した。 天を仰ぎ太陽の位置を見た。まだほとんど時間は経っていない。戦闘に復帰することは無理でも、後始末をすることくらいは十分に出来るだろう。意識のないまま自分で付けた目印を辿り、アイヴォリーはもう一度先ほどの場所へと戻り始めた。 + + + ブランチマンはメイリーを見下ろして何かを言っていた。それから背中を向け来た方へと戻っていく。どういうつもりなのかは知らないが、倒した者を連れて行くつもりはないらしい。庭木の陰からその様子を見て、アイヴォリーはほっと胸を撫で下ろした。最悪の事態は避けられたらしい。朝方に彼女と話していたようなことも実際に覚悟しなければならないような状況だったのだが。このまま彼女を反逆者として連れていかれれば、現状では今のアイヴォリーの能力で出来ることはほとんどない。それゆえ、そうなりそうになった時点でもう一度飛び出して自分を餌に、彼らをメイリーから引き離すつもりでいたのだが、幸いにもそうする必要はないようだ。無論それは、考えられる選択肢の中でも限りなく最悪に近い最良の状況だ。アイヴォリーは心の中で自分を守ってくれていると彼が信じる幸運の女神に感謝した。 彼らが立ち去ったのを確認して静かにメイリーに近寄る。苦い顔のままでアイヴォリーは小さく吐き捨てるように呟いた。 「ヤレヤレ、マタヤッちまった……。」 それは、目の前の彼女に意識があれば激怒されるような、自暴自棄な雰囲気をまとった台詞だった。だからこそ、すぐにそれまで浮かべていた表情を消し去り、彼女の傍らに屈み込んで声をかける。 「オイ、メイリー。立てるか……?」 返事はない。戦闘の直後でまだ意識を取り戻していない。迷うことなく、アイヴォリーはメイリーをその腕の中に抱え上げた。自分の腕の中で、消え去ってしまいそうなほど小さく、軽い身体。だが、アイヴォリーはその感触にも感傷にも冒されることなく、無表情のままで彼女の荷物を見つけ拾い上げる。メイリーを腕の中に抱いたまま、痛む身体でアイヴォリーは近くの茂みの中へと姿を消した。 + + + 「メイリー、大丈夫か?」 既に日は暮れている。整備された庭園が今回は自分たちを護ってくれるようだ。アイヴォリーは自分が意識を取り戻したところと同じような、周囲から隔絶された庭木の壁の中で荷物を下ろし、それから彼女をそっと横たえる。時折傷が痛むのかうなされるように小さく呻いていたメイリーだったが、まだ目を開ける様子はなかった。少しだけ大きな声で、もう一度彼女に呼び掛ける。 「うぅ……。」 もう一度呻いて、ようやく彼女は目を開けた。それを見て、アイヴォリーは彼女から視線を外し、木の壁の向こう側を眺めながらいつもの笑みを浮かべる。 「ヤレヤレ、負けちまったなァ。ちっとばかしユダンしてたぜ。まァココなら安全だろ。休んでから立て直しだ。」 まくしたてるように一気に口にしたのは、明らかに不自然だった。普段の彼の口から出る言葉は大抵が無駄口で、むしろ必要なことは最低限しか口にしない性格なのだ。 「うん、そうだね。あいてて……また明日から、がんばろ?」 そのアイヴォリーの様子に、傷に顔をしかめながらも、彼女はいつもの様子で答えた。どちらかがバランスを欠いているときにはその分どちらかが補う。ある意味では、いつもの二人のやり取りだった。 革袋から水を飲み、アイヴォリーは大きく息を吐いた。さすがにこの状況では火は起こせない。安全を確保したところならまだしも、まだ今日の戦闘があったあの場所からそれほど離れている訳ではないのだ。荷物の中から保存食である干した肉を取り出して一口齧る。敗北の後の食事はいつも味気ない。それは分かっていたが、明日のためにも食べない訳にはいかないのだ。メイリーに水袋を投げて寄越すと、それを追いかけるようにしてアイヴォリーは彼女の脇にどっかりと腰を下ろした。 「まァ……明日からヤリ直しだねェ。」 「……うん。」 この辺りにいた者たちは先へ進めたのだろうか。昼間あれほどいたはずの他の探索者たちの気配すら感じられない。まるで、辺りには彼ら二人だけしかいないかのように、庭木で隔絶された小さな空間は静かだった。 「ユダンしちまったなァ……。」 「……うん。」 ばたり、とそのまま身体を倒し空を見上げる。空には無数の星。 「ヤレヤレ、仕方ねェな。戻って立て直すか。」 「うん!」 何となく馬鹿馬鹿しくなって、アイヴォリーは小さく鼻で笑った。ようやく気分を入れ替えて、アイヴォリーが発した言葉にメイリーの返事も明るくなる。焚き火さえなく、二人でケープにくるまって、そうして何度目かの敗北の夜が過ぎる。 + + + 朝。まだ空が白む頃にアイヴォリーは彼女を起こした。状況が状況だけに疲れはあまり取れていないが止むを得ない。昨日の内に撤退出来なかったのだから今日は早い内に比較的安全な場所まで下がる必要がある。 「んん……もう行くの?」 普段からすれば珍しく、起こす者と起こされる者が逆になってメイリーはまだ目を擦っている。水を少しだけ舐め、それを吐き出すとアイヴォリーは二人分の荷物を肩にかけた。 「さっさとトンズラしねェとな。ドッカで立て直しだ。」 彼女に手を貸して立たせると、昨日隠した自分の侵入口を広げて小さな安息所から身を屈めて出る。振り返り、彼女に手を差し伸べようとしたところでアイヴォリーは自らの失態に気が付いた。 “世界渡り”をした後には能力が減退する。鍛えられた身体も、魔力も。そして勘も。無論隠密の技術もそうなのだ。気配を察知する能力、安全な場所を判断して休息に適した場所を確保する能力。全てが減退する。 ようやく気配を察知して振り向いたアイヴォリーの目の前には、昨日見たばかりの男と取り巻きが立っていた。 「クソッタレッ、メイリー、逃げるぞッ!」 半ば引きずるようにして彼女を茂みから引っ張り出し、それでも間に合わないと悟ったアイヴォリーが顔をしかめてブーツに佩かれたダガーを抜いた。 七日目──“望まぬ再戦” |
Message |
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ノエル(1161) からのメッセージ >>
* メイリー(449) |
Main Action 1 |
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特にありません。 |
Battle!! |
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攻城戦を開始!
アイヴォリー は以下を装備!
【防具】 簡素な革胸甲( 服 / 20 / - / - / - ) 【装飾】 薄汚れたケープ( 装飾 / 20 / - / - / - ) メイリー は以下を装備!
【防具】 緑樹の息吹( 服 / 59 / 物防1 / - / - ) 【装飾】 精霊の祝福( 装飾 / 20 / - / - / - ) ブランチマンの活力3! ブランチマンのMHPが 2778 上昇!HPが 2778 回復! ブランチマンの防御3! ブランチマンのVITが上昇! ブランチマンのMNDが上昇! アイヴォリーの風強化! アイヴォリーの風特性が増加! メイリーの物防1! メイリーのVITが上昇! |
▼アイヴォリーの行動!
ブランチマンに 9 のダメージ! アイヴォリーの次の連続行動が早くなったかも! ▼アイヴォリーの連続行動!
アイヴォリーのAGIが上昇! メイリーのAGIが上昇! ▼アイヴォリーの連続行動!
Critical Hit!! Critical Hit!! 庭ガールAに 130 のダメージ! Critical Hit!! 庭ガールBに 121 のダメージ! ブランチマンは攻撃を回避!
Critical Hit!! 庭ガールBに 119 のダメージ! ブランチマンに 27 のダメージ! ▼メイリーの行動!
メイリーのINTが上昇! メイリーのAGIが上昇! ▼ブランチマンの行動!
2 行動の間、ブランチマンはSTR60%強化! ▼庭ガールAの行動!
アイヴォリーに 322 のダメージ! 庭ガールAのHPが 262 回復! ▼庭ガールBの行動!
アイヴォリーに 338 のダメージ! 庭ガールBのHPが 276 回復! |
メイリーの眠気領域! ブランチマンに眠気を1追加! ▼アイヴォリーの行動!
ブランチマンに 59 のダメージ! Critical Hit!! Critical Hit!! ブランチマンに 69 のダメージ! ブランチマンは攻撃を回避! ▼メイリーの行動!
庭ガールBに 236 のダメージ! 庭ガールBは混乱に抵抗! ▼ブランチマンの行動![STR+60%:1][眠気:1]
アイヴォリーに 7672 のダメージ!
( ブランチマンのSTR+60%が消滅!眠気が解消! ) ▼庭ガールAの行動!
アイヴォリーに 318 のダメージ! 庭ガールAのHPが 259 回復! ▼庭ガールBの行動!
アイヴォリーに 340 のダメージ! 庭ガールBのHPが 278 回復!
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▼メイリーの行動!
ブランチマンに 154 のダメージ! ブランチマンは混乱に抵抗! ▼ブランチマンの行動!
2 行動の間、ブランチマンはSTR60%強化! ▼庭ガールAの行動!
メイリーに 278 のダメージ! 庭ガールAのHPが 227 回復! ▼庭ガールBの行動!
メイリーに 294 のダメージ! 庭ガールBのHPが 240 回復! |
▼メイリーの行動!
ブランチマンに 155 のダメージ! ブランチマンに混乱を1追加! ▼メイリーの連続行動!
ブランチマンに 78 のダメージ! メイリーに 159 のダメージ! メイリーに 157 のダメージ! メイリーに 161 のダメージ! ブランチマンに 79 のダメージ! ▼ブランチマンの行動![STR+60%:1][混乱:1]
Critical Hit!! 庭ガールBに 7821 のダメージ! ブランチマンのHPが 2759 減少! ( ブランチマンのSTR+60%が消滅!混乱が解消! ) ▼庭ガールAの行動!
庭ガールBのHPが 404 回復! ▼庭ガールBの行動!
庭ガールBのHPが 404 回復!
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▼メイリーの行動!
左手を横薙ぎに振り払うと、どこからか軽やかな鈴の音… 必殺技が発動!効果増幅Lv.6!!…———一時遅れて、烈風が吹き荒れる! 視えぬ風の刃 メイリーに 275 のダメージ! Critical Hit!! 庭ガールAに 350 のダメージ! ブランチマンに 138 のダメージ!
メイリーに 784 のダメージ! メイリーに 275 のダメージ! ▼ブランチマンの行動!
2 行動の間、ブランチマンはSTR60%強化! ▼ブランチマンの連続行動!
メイリーに 4568 のダメージ!
▼庭ガールAの行動!
ブランチマンのHPが 1127 回復!
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You can't advance... |
進攻に失敗した・・・・・ |
Main Action 2 |
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特にありません。
[物Lv.1]シェイド を成長させました!(Lv.1→2、CP-1) [物Lv.2]シェイド を成長させました!(Lv.2→3、CP-2) [物Lv.3]シェイド を成長させました!(Lv.3→4、CP-3) [物Lv.4]シェイド を成長させました!(Lv.4→5、CP-4) [物Lv.13]キラーウルフ を成長させました!(Lv.13→14、CP-13) [物Lv.14]キラーウルフ を成長させるにはCPが足りませんでした。 [物Lv.14]キラーウルフ を成長させるにはCPが足りませんでした。 [物Lv.14]キラーウルフ を成長させるにはCPが足りませんでした。 [物Lv.14]キラーウルフ を成長させるにはCPが足りませんでした。
特にありません。
特にありません。
紅色の生命の華が成長し、新たな絆を紡ぐ・・・ CPが 28 増加! |
Let's Ikki !! |
Next Battle |
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Area Message !! |
Character Data |
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