時々、夢を見る。
もし誰も私のことをバカにしなくて、普通に学校に通っていたら。
たいてい、まるでマンガやドラマみたいに、楽しくて騒がしい学校生活がそこにある。
でもそれは叶わなかった。
だって、みんなが私のことをバカにしたから。

イヤなことはやらなくていい。
そういう風に教えられたし、育てられた。
そのかわり好きなことは誰にも負けないように頑張りなさい、とも言われた。
それがお父さんにとっての銃で、お母さんにとってのお菓子だったんだと思う。
私はお父さんもお母さんも好きだから、バカにされるのはイヤだ。
だから学校に行かなくなった。
あいつらがバカにするから。
何も知らないくせに。

私は、どちらかというとお父さんっ子で、銃をさわるのが好きだ。
お父さんといればさみしくないし、銃をいじるのは楽しい。
色々なことを勉強して、銃の仕組みやなりたちも知っている。
お父さんにはよくほめられるし、仕事のお手伝いをすることもある。
色んなことを教えてくれて、私を大切にしてくれている。
だから、お父さんをバカにするのを、私は許さない。
人殺しの手伝いなんて言われて、私は許せない。
誰もそれをとめないんだから、みんな同じだ。
学校なんて、くだらない。


……でも。
きっと私はさみしいんだろう、と思う。
そうじゃないと、学校の夢なんて見ない。
どこかに、私のこと、親のこと、仕事のこと、好きなことをバカにしない人がいるなら。
友だちになれたらいいのにな。