荷物は……よし。
得物もよしで、一緒に行く人もよし。
この人何かで有名だった気がするんですけど、なにかと縁があるんですよねぇ。
なんで有名だったんですっけ？
なにか活動記録が秀逸とかどうとか。
私も何か面白いことをできたら商売繁盛したりするんですかねぇ。
できませんけど。

できませんけど。

できませんけど！

できないことを考えても仕方ないのでできることをしましょう。
余裕のあるときに少し安めに出品してみたりとか。

それにしても、山登りですか。
なにかいろいろと懐かしいですねぇ。
村に住んでいた頃のようですまるで。
だからまぁ、割合得意なんですよね。歩くだけなら。
いえ専門家の方とかに比べたら全然ですけれど。

あとは疲れたらみんなに運んでもらえばいいですしね。
とてもらくちんですよね、山。
自分で歩かなくて済むんですから。

　困惑を隠しすぐに商売人の顔になる少女を見やると、安心したように笑みを浮かべる。

　少年はす、と一度深呼吸をする。
　小さな掌へPSを差し出すと、半ばひったくるように少女の袖口から手紙を取り上げる。

赤く、なってる？誰が？俺が、だ。

狼狽えてる内に、気づけば裏のスペースに押し込まれていた。

別に、脱いだら着れないとか、そう言う訳では無い。前はそうだったが、白雪のＰＴＭの、最上に教えてもらってる。

ただ、何か。着たら戻れなくなりそうとか、漠然とそんな事を思うだけで。

そういえば、ふと思う。この体になってから、この服を脱いだ事はあっただろうか。

……無かった気がする。そう思えば、たまにはいいもの……なのかもしれない。

覚悟を決めて、帯を解く。少しずつ、真っ白な肌が露わに———





裏からロックが顔だけを覗かせる。