小さな屋敷と言いつつ、屋敷と言われてるだけあってそれなりに大きい。
警備と言うには今まで見かけた腐肉や得体のしれない物。
その最奥に位置する大部屋には、少女が一人と護衛と思しき男女。
あぁ、いや、少女は二人。護衛と思しき二人の内一人もまた少女。
どうでもいい訂正を加えつつ、名乗る。

「初めまして、こんにちは。白雪と申します」

そして、一揆に参加していることも口にする。
護衛の二人からの殺気が増した。

「怖いですねぇ。もう少し穏便にいきましょう？
　実は次にどこに行けば良いのかわからなくなっていまして
　どこか手掛かりでもあったら教えてくだされば私はそれで引き帰しますので」

避けれるのならば争いごとは避けた方が良い。
しかし返答は違う。

「これはご丁寧に。手掛かりは知っていますよ。
　ここにはグリーンパレスと呼ばれる施設への転送装置があります。
　ですが、私にはあなたを送って良いのか判断がつきません」

ですので。

少女が続ける。

「見定めさせていただきます。あなたが力を持つのか、否かを……」

何か見定められるそうです。
こういうの、自信ないんですけどね。

　予想外の返答に苦笑する少年。
　そういえば出会って最初の時に「手紙を拾った」、と少女が言っていたことを思い出す。

　手紙というのは早々落ちているものではないし、拾ったからと言って早々中を見るものではない。
　——そこまで考え、少年はある考えに至る。

そう言いながら溜息をつく。本人にも自覚はあるらしい。