元騎士団の副団長って、反乱軍の力試しとかしてて良い立場なんでしょうか。
いえ、私はお嫁さんが見つかればそれでいいんですが……。



ん？
なんか女の子の匂いがします。
えんどう豆のような香り。
さやえんどうのような香りの女の子。
ついていっていいのかな……逃げられなきゃいいですよね。
これはストーキングではなく、なんていうか、えーと……連れ込み……行きずり……
……逃げられなければいいと思います。

友人ができた喜びに、リゥも尻尾を揺らし嬉しそうに笑う。
と、突然離された手にきょとんと目を瞬き、改めて宜しくお願いしますね、とまた笑いかけた。

少し悲しげな面持ちをするが、すぐに困ったような顔になった。
そのまま、どう言ったものかとうんうん唸っている。

俯き加減に力なく笑い、余計なことも考えなくて良いですしね、と小さく呟いた。
へたり、と尻尾が垂れ、どこか暗い影を落とした気がする。

出会いは多いかもしれませんけど、本命は見つかりにくいんじゃ、それとも何か秘策があるのかと不思議そうに尋ねた。