この世界に来て、35日目。
少しずつ終わりが近づいてきているのを感じながら、私は空を見上げた。
今までは特に特別な感情も抱かずに眺めていたこの風景も、終わりが近づいていると知った今では何か特別なものに見える。

「……何か映像として記録できるものを持っていればよかったですね」

ぽつり、と小さな声で呟く。
もし何か記録媒体を持っていれば、相棒や仲間たちにもこの風景を見せてあげることができたかもしれないのに。
ぼんやりとそんなことを考えて、先を歩く仲間たちの背中を見やる。
思えば、二人には色々とお世話になったわけで。

「……」

今言わなければ、チャンスを逃すかもしれない。
そう思い、私は二人に声をかけるため、息を吸い込んだ。