この世界に迷い込んで最初に会った生き物は、エンブリオというこの世界特有の生き物らしい。
彼女の話によればエンブリオは複数存在し、私が出会ったこの生き物はシルフというらしい。
彼女と契約とやらを結び、共に戦って一番に驚いたことは、彼女と一緒だと身体が軽くなり、面白いくらい素早く動けるようになるということだ。
この世界に来てからはじめての戦闘を終え、私の肩に乗っている彼女をちらりと見やる。

「折角だから、名前をつけましょうか？」
「名前？」
「ええ。折角契約を結んだんですし」

そういって、私は自分の肩の上にいるシルフを指差す。

「時風。時風にしましょう」

改めてよろしくお願いしますね、時風。
彼女に向かってそういうと、時風は少しだけ嬉しそうに笑ってみせた。

　　　△　　土　▲
　　（　㊤　皿　㊤）　　がしゃーん
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　／│　　塊　　│＼　　　　　　　　　がしゃーん
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（そう呟いて、その少女は小さく息をついた。こん、と手で双剣の柄を叩く。）