ぺちんぺちん！！
小悪魔インプちゃんをボコボコにしてます。ボコボコにしてます。大事な事なので二度言いました。

…あ、白い縞々猫さんはしっかり私の中へ捕獲…保護しました。

　＊　＊

…気を取り直して、襲い掛かってきた三匹を返り討ちにしてやっと一息着く私達三人。
一休みする間に森の中から出てきた紅い少女──アラヤちゃんという名の子と簡単な自己紹介を交わします。
アラヤちゃんのお話を聞くと、どうやらアラヤちゃんは自分のお姉ちゃんを探してるみたいです。
この森に居たのもお姉ちゃんを探して迷子になってしまったとの事でした。

うーん、人探し…お空高くに飛べば探せるかも？
農場で培った探索術式がいくつかあります。それを空から使えば人探しもきっとできる筈。
そう思った私は二人に『空高くから見下ろして探そう！』と提案してみる。

アラヤちゃんは少し嫌そうな顔をしつつもこの提案に賛成してくれます。
そしてナナさんの方は……えっ、空が飛べない？

どうやらナナさんは空を飛ぶのが苦手の様です。
そういえばナナさんが飛んでる所をまだ見た事が無く、いつも地面を歩いてました。

そんな変な妄想をしながら、どうしようかなと考えてると…ふと山が目に入り、私の頭に電流が走ります。
…ビリビリは苦手なのでビリビリしない程度に走ります。

そうだ。山に登ろう。

　＊　＊　＊

──と、言う訳で森を抜けた私たち三人は現在、山に来ています。
ナナさんが飛べないという事なので、みんなで高い山の上から見下ろして探す事にしました。

…でもよくよく考えると、『私がナナさんを抱えてお空を飛べばよかったんじゃないかしら？』…なんて事を思ってみたり。
ま、みんなで山登りも楽しいので、これはこれでありでした。

3人楽しく(？)山の中腹まで登ってきた時でした。
何かの鳴き声が聞えると、空から雷鳥が。地面からオコジョが現れました。

……雷鳥？

あわわわ！どうしよう、私は雷が暑いのの次に超が付く位の大の苦手なのです。
慌てる私を余所にナナさんとアラヤちゃんの二人は既に武器を構えて臨戦状態。

深呼吸すーはーすーはー……少し落ち着きを取り戻して、恐る恐ると私も武器を構えます。

…やっぱり怖いので、二人の影に隠れながら頑張ります。うぅ、ビリビリ怖い…。