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「はぁ?! ちょっとそれホントなのアナタ達！」
「えぇ……というか、するタイミングが……」

柔らかなせせらぎをＢＧＭにのんびりと川辺を歩いていたブルート夫妻一行は、
前回に引き続きディアの絶叫で足を停めることとなった。
例によって話を聞いていなかったらしいクリスが「何事だい」と
相変わらず表情の変わらない首で辺りを見回している。

「ごめんなさい、ディアさん？」
「お礼をするのはコミュニケーションでも重要なことなのよォ〜？」
「……ディアくんは悪魔ではなかっただろうか？」
「何よ？ 悪魔だってコミュニケーションは大事なのよ！」

珍しく会話に加わってきたクリスに、ディアはピシャリと言い放つ。
仁王立ちならぬ仁王座りで３人に一瞥をくれると、人差し指をずいと顔の前で立てて見せた。

「イイ？ あいさつと感謝、それと詫びは基本よっ？ 特にアナタ達夫婦！」

びしっと指をさされ、ブルートと妻の肩がビクリと震える。
ディアは続いてクリスのほうへと指をずらす。

「その点に関してはある意味コイツの方がマシなくらいよ？」
「いやあ、もっと褒めてくれたまえ！ 僕の美しさは全ての人を虜にしてしまうんだね!!」
「……まあそういうコトだから、お世話になったコ達に会いに行くわよっ！」

クリスのアピールは全力でスルーされた。
ディアはうふふと含み笑いを洩らし、３人を引き連れての“お礼参り”へと向うのだった。

　
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と、急に目の前に現れたかわいらしいリボンにすっかり目を奪われてしまう。

少女はブルート夫妻の服と水玉リボンを見比べて、腑に落ちない顔でディアを眺めている座長の服の裾を引っ張った。

少女の頭を撫でながら、まじまじと見つめてくるディアに何やら言いにくそうな様子で、

そう尋ねる彼は、割と真顔だった。

（水辺で転んで頭から水につっこんでしまったようだ。）