リカは無事、"試験"に合格しました。日頃から鍛えていたため、それなりに腕に自信はありましたが、ラルフさんも本気を出してはいないでしょう。下手に怪我をさせて戦力を削ぐわけにはいきませんからね。
　さて、王城に足を進めるリカですが、新しい仲間が増えました。

　エンブリオのごおれむです。偶然歩いていたところを見かけ、無理矢理契約した仲良くなって契約しました。とても小さいですが、その力は強く侮れません。いつもはリカの肩にちょこんと座っていて、辺りを物珍しそうにきょろきょろと見ています。

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　城門から城までの道は広い庭になっていました。庭には色とりどりの花が咲いており、香りと共にリカを和ませるのでした。

　ごおれむにもそれが分かるのか、さっきから頭に登ってみたり踊ってみたり歌を歌ってみたりとご機嫌なようでした。

　それから広い広い庭をしばらく歩き続けていると、

　不意に、ごおれむがその動きを止めました。

　質問には答えず、ごおれむはリカの頭から飛び降りました。そのままてててっと歩いて行き、

　ちょうど、曲がり角の部分で足を止めました。そして何かを伝えようとするかのように飛び跳ねています。曲がり角の向こうは花が邪魔をして見えません。

　リカは若干警戒しつつ、ごおれむの元へと向かいました。
　
　── そこで、あれを見ました。