一揆の参加者の増加やこれまで以上の大きな進行によって、各参加者のローテーションにも大きく余裕が生まれていた。
その甲斐あって、この日はリフィとのデートを満喫し、二人の思い出作りをしてきた。
今回のデートプランは意外なことに、リフィが全て考えてきた。俺がまだ立ち寄ったことのない洒落た店や珍しいスポットまで、色々な場所を訪れた。
リフィも今回のデートはとても楽しみにしていて、その為に事前にここまでデートプランを考えてきてくれたのだ。本当に嬉しい限りである。
さて…外は雪が降り始める中、その日の夜は宿で一泊することにした。部屋も二人一部屋、少し奮発してちょっと贅沢な部屋にしてみた。

「いやぁ〜楽しかったよっ、リフィ。こうしてデートらしいデートっていうのも、なんだか初めてな気がするなぁ…」
「そうですね。一揆の方も忙しいですし…中々時間も取れませんでしたからね」
「だなぁ…、けれど順調に進んで、余裕もだいぶ出来てきた。これからもっと、こんな風に一緒の時間を作れたらいいな…」

俺がベッドの上にゆっくりと腰をかけると、リフィもその隣に座る。
思えば初めてのデートは公園に行ったくらいだった俺達。今回初めてデートらしいデートを出来て本当に楽しく、そして嬉しかった。

「あのさ……リフィ…、デートの時は…ちょっと緊張しちゃって…渡せなかったんだけどさ…、……これっ」
「んっ…？何ですか？これ…？」

俺はリフィへと小さな包みを渡す。それは本来ならデート中に渡したかった、リフィへのプレゼント。
しかしどうもまわりが気になったり、緊張したこともあって中々渡せずにいた。
やっぱりいざという時に限って、うまく動き出せないことってあるもんだなぁ…。

「リフィの為に…、用意したんだ……。こういうの作るのって、初めてだからさ……、うまく出来てるか…、ちょっと気になるけど」

リフィが包みを開けば、その中には…銀の羽根のネックレス。
プレゼントに何をあげようか迷っていた際、俺の住む世界の実家の妹からアドバイスを受け、銀細工を薦められた。
妹は一年前から銀細工にはまりだしたようで、家でも結構作っては友人達にも見せていた。出来もよく、文化祭で展示した作品も高い評価を受けていたようだ。
俺は妹から銀細工を教わっては、プレゼント用に何度か銀細工に挑戦していた。最初のうちはやはり不恰好なものも多く、中々思ったように綺麗には作れなかったもんだ。
しかし苦労と時間をかけた甲斐もあって、ようやく納得のいくものが完成した。とはいえ…リフィから見ればどのような印象を受けるかはまだわからないけれど。

「わぁ…、これ…私にですか？ありがとうございますっ」

リフィは俺の作ったネックレスをとても喜んでくれていた。
手のひらに載せて眺めては、すごくいい笑顔を見せてくれている。
リフィは早速、俺の目の前で付けてみては俺に見せれくれた。

「どうですか？似合ってますか？」
「うん…、似合ってるよっ…」
「そうですか？嬉しいです♪」
「それだけ喜んでもらえると、俺も嬉しいよっ」
「それでは、私も正義さんにプレゼントです。気に入ってもらえると嬉しいんですけど…」

そういってリフィは、鞄からプレゼントを取り出すと、それを俺に手渡した。
それはリフィが編んでくれた、手縫いのマフラー。色も俺の好きな青を選んでくれていた。

「手縫いのマフラーかぁ…、嬉しいなぁ。ありがとうリフィ…、ちょうどこの季節は首元が寂しかったんだよっ」
「気に入って頂ければ嬉しいです。他に欲しい物があれば作りますよ？時間はかかるかもしれませんけど…」
「あははは…、じゃあその時になったら、何かリフィに頼もうかねぇ…」

俺は試しに軽く、マフラーを首に巻いてみる。やはり手縫いの温もりは違うものだなぁとしみじみ感じる。
俺の住む世界では今はまだ夏だけれど、メルンテーゼの季節はそれとは間逆の冬である。
この寒い季節とならば、首元も寂しくなるものだなぁとこれまで感じていた。リフィのプレゼントは、まさに今の俺にとってはとても嬉しいものである。
試しに軽く巻いた後は、マフラーを丁寧に折り、軽くひとなで。

「何か飲みますか？キーン商会の方で美味しいハーブを頂いたんですよ？」
「あははは…、それはまた後でじっくりといただくとするよ。それより…」

鞄からごそごそとハーブを探すユフィに、俺は彼女の身体を軽くぎゅっと抱きしめる。
持っていたマフラーは、大事に近くへそっと置いておく。

「ふぁっ…？」
「今は…、こうしてリフィと……」
「はい…、わかりました……」

リフィは少し驚くも素直に受け入れてくれた。
そしてリフィからも、俺の身体を優しく抱き返す。
俺はリフィを抱きしめながら、彼女の頭をやさしく撫でた。

「こうしてリフィと一緒にいると…、本当に安らぐよ。大好きな人がこうして傍にいるってさ…、ホントにありがたみがでかいよ……」
「安らぎますか…？それなら嬉しいです…、私も…正義さんと一緒だと、安心します……」

俺はリフィへ顔を寄せると、リフィもそっと目を閉じる。
ゆっくりと唇を重ねれば、その柔らかな感触はお互いの唇にそっと伝わってくる。
一度唇を離せば、リフィはとろんとした瞳でこちらを見つめている。

「もう一度…良いですか？」
「あぁ……」

そういって今度はリフィの方から唇を重ねる。再び感じる、柔らかな唇の感触。
口付けを交わせば、次第にそれは深く濃いものへと変わっていく…。互いに舌を絡ませ、深く…そして濃ゆい。
俺はリフィの胸元へとそっと手を触れると、服越しでも彼女の胸の鼓動が程よく手に伝わってくる。

「いい…、かな……？」
「…はい。良いですよ…」

リフィは恥ずかしそうにしながらもこくりとうなずいた。
俺はリフィの服をゆっくり脱がしていき、衣に包まれていたその白い柔肌と豊満な胸を解放していく。綺麗な肌とわがままな身体つきは、俺の目にしっかりと焼きついていた。
俺は再びリフィの胸に今度は直接触れると、その瞬間ぴくんと彼女は感じていた。身体は変わらず結構敏感なようだ。

「あぅ…あまり…その…見ないで欲しいです…」
「そうは言っても、綺麗なものには惹かれてしまうものだからねぇ」
「うぅ〜…、ま…正義さんも脱ぎませんか…。私だけだと、恥ずかしいので…」
「うん…」

リフィの手によって、俺もまた次々と衣から解放されていく。自分ではなく別の人の手から脱がされると、少しばかりくすぐったくもある。
俺はそっとリフィに口付けをし、片方の腕でリフィを抱きつつ、もう片方はリフィの胸に触れている。
リフィは口付けに積極的に応じ、舌を絡ませる。お互いにその手で触れ合い、そして感じあい、次第に互いの熱は徐々に増していく。

「正義さん……、私はもう大丈夫ですので…そろそろ…」
「そうだね…、そろそろ…かなっ。おいで…、リフィ…」

俺はゆっくりと身体をベッドに倒すと、リフィはゆっくりと俺の上に跨る。
お互いに深く…、熱く…、それは重なった。
リフィの声が二人っきりの部屋に響けば、その可愛らしい声ははっきりと俺の耳に入ってくる。
最初はゆっくりと…、そして次第にテンポをあげて、俺の上でリフィはその身を踊らせる。
窓の外では白い雪ははらはらと降り注ぐ中、二人っきりの部屋では…共に求め、共に感じ、共に満たされ、互いの熱は…さらに熱くなる。
より激しく、より熱く…、交わりはやがて頂点に達する頃には…、溜まっていた熱はふわっと弾けだす。

「ふぁぁ…」

リフィの身体はゆっくりと俺の胸へと倒れ、その身体を預ける。
俺ははリフィを抱きしめながら、彼女の頭を優しく撫でていた。

「リフィ……」
「正義さん…、このまま、休んでも構いませんか…？」
「あぁ…。このまま二人…、ゆっくり休もうか…」
「はい……、おやすみなさい、正義さん……」
「うん…、おやすみ…、リフィ」

互いにゆっくりと瞳を閉じ、共に抱き合いながらゆっくりと眠りにつく。
共に交わした身体の熱は眠りについてもなお離れることはなく、満たされ続けていた……。

苦笑して。

アクスをぶんぶん振り回しつつ

ダダダッ　と走り去る。

アクスをぶんぶん振り回しつつ