先日、俺たちの世界の森の中で遭遇した謎の獣。あれからルーディの生みの親に調べてもらった結果…、かつて麗入茄町に出現していた異型の獣と同一の細胞が検出された。
異型の獣のうちのわずかな生き残りが、偶然にも風桜町の森の中へとその身を潜め、森の中の木と同化したことで長年の月日をかけて性質を徐々に変化させていったものではないかと考えられる。
二十年以上の歳月をかけて変貌を遂げた存在は、これまで森に入り込んだもの達を仕留めていた。侵入した者を容赦なく排除する意思を持っているあたり、かつての異型の獣の持つ破壊の意思と似たようなものを持っているようである。
そして今回の件で他にわかったことがあるとすれば…、まだ異型の獣の生き残りはこの世界のどこかに存在している可能性があるということだ……。

ルーディが指をさす先には…、俺の幼い頃のイメージをもとに生まれた存在が一人。
俺が森での戦いではじめてそれを武器として実体にしたことで、こいつは自らの意思で人の姿をとれるようになった。
現在は俺から力を少し吸い取り、人間サイズに実体化しては俺の家でくつろいでいる。
一体どこから出したのか、左手の先が細く左右の足の長さが違う傭兵のフィギュアと別の傭兵のフィギュアを出して遊んでいた。
その左手の先が細く左右の足の長さが違う傭兵のフィギュア、どうみてもコンバット越前だよな？

そしてまた何処からか、どこでもドアのフィギュアを出した。
あれか、それが赤の扉かっ。だがそれだとMUGENのコンバット越前だぞそれ！？

一旦手を止めると、こちらへと笑顔で視線を向ける。
見た目は妖精サイズの時の身体を5倍近く大きくしたようなもの…、というかまんま人間サイズ。
それにしてもルーディに負けず…というかそれ以上の無駄な露出が目立つ格好である。また変態が一人増えたか……。

…と、まったく似ていない大山のぶ○の物真似をしながら自らの名前を口にしている。
コールブランド…という呼び方も少し長いし、こいつのことはコールと呼ぶことにする。そのほうが今の見た目ともあっているし。

確かにこいつの持つ力は、エンジェルと似ているものが感じられる。リフィのとこのリュミエールとも何処か似ていて、それでいて何処か違っている。
しかしおおもとの部分が似ているあたり、こいつもまた同じエンジェルなのかもしれない。…あるいは、それとはまた少し異なった別のエンブリオだ。
けど俺の中でどうしてこいつというこの世界で本来生まれるはずのないイリーガルな存在が生まれたのか…。

コールはこちらに抱きついてくると頬をすりすりしてくる。
それにしても恐ろしいほど人間の身体として実体化している…、頬の感触だけでももちもちと柔らかく、確かな肌の温もりも感じられる。
こうしてコールが間近にいると、不思議なことに爽やかな香りもする。香水をつけている訳ではないようだが…、というかつける場所殆どないけど。

余裕な表情でルーディを見下すコール、そんなコールに対して今にも牙をむきそうなルーディ。
あー…、なんだろうこの似たもの姉妹の喧嘩みたいな光景。

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その日の夕食…、食卓はいい香りがふわりと広がる。
今日のメニューはカレー…、この馴染みある香りは食欲をそそることだろう。
…しかし、その食欲は一瞬にしてぶち壊れた。何故なら……。

目の前のカレーは、ルーからライスまでとにかく青い。
ルーはプロ顔負けの海のような青さ、そしてライスもまた着色料で恐ろしく青い。
セットで用意したパンもこれまた生地が青く、とにかく食卓が青い。香りはいいのだが…青い。
おかげさまで沸きあがった食欲ゲージがみるみる低下していく…、これは酷い。
まぁ…幸い青いサイダーはそう珍しくもないし酷くはないんだけどなっ…。

しかしまぁこの青いカレー、本当にルーが海のような青さである。ネットで見たことある青いカレーまんまだ。
香りは確かにカレーである、しかしこの見た目は食欲を削っていく。
…このまま食欲ゼロになる前にはやく口にしてしまおう。大丈夫…、たぶん食えないものではないだろう。
俺はスプーンでまず一口分とると、その青いルーと青いライスを恐る恐る口に運んだ…。

続いてルーディも恐る恐る口にした。ルーディ、認めたくないという表情をしながらも黙々と食べすすめる。
こんなに青いと認めたくない気持ちもわかるが、実際にその味が俺の作るカレーの味と同じなのだから食べてしまう。

今宵の食卓は青色尽くしだったが、まぁ…美味しかったのは事実だ。
だけど毎度この青い料理ばかりと言うのだけは…さすがに簡便。まぁ…そりゃあ、ねぇ……。
それからも黙々と食べ進め、夕飯は完食。色さえ除けば、まぁ…美味しかった。
コールもにこにこと笑顔を見せては喜んでいる。確かに作った料理を食べてもらえると、作った側も嬉しいしなぁ…。

結論：やっぱり青色料理はダメ、ゼッタイ。
しかしその後の生活でも、結局何度か青色料理が出た訳で……。

どこから出てきたのか知らないが、マッチョがいきなりポージングをして現れた！！

相槌を打ちながらも、彼女の視線は貰った飴に夢中なようだ。
本人は至って無意識のようだが。

言い方は雑だが割りと純粋に心配しているようである。

アクスをぶんぶん振り回しつつ

きょろきょろと周りを見渡す

アクスをぶんぶん振り回しつつ