盲導犬つける男を目撃　大学生風ロン毛茶髪でニヤニヤ

　埼玉県で７月２８日、盲導犬「オスカー」が刺された事件で、事件前後にパートナーの男性（６１）の勤務先があるＪＲ東川口駅の隣駅で、盲導犬の後をつける２０歳前後の長髪の男が目撃されていたことが２日、分かった。埼玉県警武南署に８月３１日、女性から目撃情報が寄せられた。

　捜査関係者によると、７月２３日か３１日の夕方、東川口駅から東へ約４キロ離れた隣の南越谷駅のホームから、大学生風の茶色がかった長髪の男が、男性が連れていた盲導犬にぴったりと張り付いて後をつけ、隣接の東武新越谷駅ホームまで追っていた。

　男はニヤニヤと笑いながら盲導犬を見つめており、不審に思った通行人が犬と男の間に割って入ったが、動きを変えて強引に割り込み再び盲導犬の後ろについた。また、男性と盲導犬が上りエスカレーターを使用中、階段側から盲導犬をのぞき込んだりしていたという。

　オスカーの関係者によると、オスカーは７月末に南越谷駅を訪れておらず、つけられたのは別の犬だった可能性が高いが、犯人は広く盲導犬を狙った疑いがあり、武南署は器物損壊容疑で関連を捜査している。

　新越谷駅改札前の雑貨店店員は、取材に対し「盲導犬を連れて駅を利用する人は何組かいる」と話している。一方、武南署には２日午後５時までに、全国から８５件の情報提供があった。約９割がオスカーや警察を激励する内容だった。中には沖縄、三重、埼玉から「オスカーの治療費に使ってほしい」と現金送付の問い合わせもあったという。