少し、実感したことがある。
　自分が、ここにやってきた時より、強くなっているという実感だ。
　ここ最近、一人だけ戦線離脱なんて事が続いていたせいで、正直不安だった。のだけど、そうでもないらしい。
　コヒメに新しい武器も作ってもらい、まだまだ俺には役割があるのだと実感する。
　仲間も随分と増えた。クアールは新顔のリリスに懐柔されてえらく仲がいい。完全に猫と飼い主の構図だけど。
　ツッチーはのんびりした性格のせいか、ネムと相性がいいらしい。よく一緒に昼寝している。その傍らにアカハネがだいたい寄りそってるんだが、保護者的な意識でもあるんだろうか。
　んでアルカンとヘイポーはというと——何故か契約主の俺のコーチをしてくれている。ヘイポーはきっちりと、アルカンはフィーリングとごり押しをとまあものの見事の両極端なんだが、どういう教育方針が喧嘩していない。どういう奇跡だこれ。
　うまく自分の血肉にしていかないといけないだろう。そろそろ差を詰めていかないと、二人に申し訳ない。