しょうがねぇか、小さくも呟く。
カランと寂しく焚き火に投げ入れられる木の音がそれを阻害するか。

前置きとして予防線につまらない話だぞ、と告げて。
淡々とした口調で説明を始めるだろう。
自分のような機械のキャストの他にヒューマンと呼ばれる人間、それに加えてニューマンと呼ばれるヒューマンから遺伝子を改良されて創られた人間。
機械もまた人ではなくとも意思を持つので人権を認められ、人間同様に扱われていること。
故郷は惑星の国々ではなく、空を飛ぶ船…宇宙船と呼ばれる船内で創られた、と。
念の為に宇宙船がわからなくても、わかるように説明を行う。
どんな所なのかに関しては、船内に人工的に作られた自然と街が存在する場所。
本当に自然な物は一切ないのだ、と。

ごう、と炎が揺れる。光を飲み込み、閃きを吸い取り、輝きを喰い殺す黒炎。

ごう、と黒い炎が揺れる。風に吹かれ、散るように消えていく。

鎌を背負い、フードを脱ぐ。